こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■鰻と蒲焼きをめぐる話
 明日は土用丑の日(2008/07/24)ということで、鰻と蒲焼きのニュースが度々
 取り上げられます。ここは時流に乗ることにして私も鰻と蒲焼きをめぐる話
 をすることにしました。

◇今年は二回ある土用丑の日
 まず暦らしく土用丑の日の話から。

 今年は明日7/24と 8/5の 2回丑の日があります。こうした場合、最初を一の
 丑(いちのうし)、二度目を二の丑(にのうし)などと呼びます。鰻にとっ
 ては、一の丑の日に生き延びてももう二の丑という恐怖の日がやってくる訳
 ですね。

 こうしたことが起こるのは土用の期間が18(たまに19)日であり、丑の日は
 十二支ですから12日に一度めぐってくるわけですから、当たり前といえば当
 たり前です。また珍しいことでないことは最近の二の丑のある年を見ればよ
 く分かります。

  ○2006, ×2007, ○2008, ○2009, ×2010, ○2011, ×2012, ○2013

 頭に「○」をつけた年は二の丑のある年。こうしてみると二の丑まである年
 の方が多いのが分かります。鰻も大変だこと。

◇関東では蒲焼き、関西ではマムシ?
 鰻の蒲焼きについては、「江戸の背開き」「京阪の腹開き」、蒸しが入るか
 入らないか、タレをつけて焼くのか否かなど調理法が違うそうですが、そう
 したことに無頓着な私には「よくわかりません」ので、よくわかる人に訊く
 かご自分で実地にお試しください。

 さて、鰻と言えば蒲焼きですがこの「蒲焼き」という言葉はなぜ生まれたの
 でしょうか? 語源辞典をひくと

  ・カマボコヤキ(蒲鉾焼き)の略。ガマノホ(蒲の穂)に似ているから
  ・その焼いた形が白樺などの樺の皮に似ているから

 が登場します。最初の蒲の穂に似ているというのは、昔は開かずに鰻を丸の
 ままぶつ切りにして串に刺したからとか。なるほどそれなら蒲の穂に似てい
 るというのはよくわかります。しかし、この状態だと鰻の生前の姿があまり
 にリアルに思い浮かんで食べにくい気がします。

 関西のマムシの語源は、

  ・蒲焼きを御飯の間にはさんで「間で蒸す」からマムシ
  ・御飯と蒲焼きを混ぜることから、「マブス」が転じたもの

 等と言われます。私は出身が福島県で系統から言えば関東系の蒲焼き。
 姉が大阪に嫁いで土用の丑の日に店に沢山の「マムシ」が並んでいるという
 のでビックリして電話してきたことが有りました。もちろん私の出身地域で
 マムシといえば毒蛇の「蝮(まむし)」を連想しますから、恐ろしい。
 それに言われてみれば蝮も鰻も形が似ている(蝮の方が鱗が見えるだけ、魚
 っぽいかな?)・・・想像すると不気味なので、この辺で止めときましょう。

◇土用の鰻の歴史
 土用の鰻というと、よく万葉集の大伴家持の和歌、

  石麻呂に吾物申す夏痩せに吉しと云うふ物ぞむなぎ取り食せ

 が取りざたされますが、実際に土用の鰻として鰻が食べられるようになるの
 は江戸時代も後半「安永・天明の頃《明和誌》」から始まったとと有ります。
 安永・天明の頃というとAD1764〜1781年頃と言うことになりますから、ざっ
 と 250年程前。そんなに古い行事ではありません。

 そんなに古い行事でないこの「土用丑の日」の鰻が急速に広まった裏には、
 幕末の万能学者、平賀源内の活躍があったという説があります。
 なぜこの日鰻を食べるのかに関しては、五行説に基づく呪術的な意味もある
 とか。

 なかなか面白い話がありますが、長くなりそうなのでここから先はWeb こよ
 みのページの「暦と天文の雑学」にバトンを渡して、以下の記事をお読み下
 さい。

  土用丑の日(ウナギの日?) http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0700.htm

 そして、お勉強の後は美味しくウナギを食べて元気に夏を乗り切って下さい。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/07/23 号

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