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■今日は三伏の候の一つです
 夏の暑い時期の時候の挨拶に使われる言葉に

  三伏の候(さんぷくのこう)

 というのがあります。三伏とは「初伏・中伏・末伏」の三つをまとめて言う
 言葉です。
 今年の三伏の日付を計算してみると

  初伏 ・・・ 夏至以後、三度目の庚の日 (7/19)
  中伏 ・・・ 夏至以後、四度目の庚の日 (7/29)
  末伏 ・・・ 立秋以後、最初の 庚の日 (8/08)

 になります。()の日付は今年の三伏の日付。
 今日は中伏の日ということになりますね。

◇三伏の日の意味
 三伏の日というのは中国古代の五行説(ごぎょうせつ)から生まれた暦注の
 一つで、この日は季節の性質と日の性質が合わず、ギクシャクした日だと考
 えられている日です。

 季節の性質と日の性質とはなにかですが、季節はといえば言わずと知れた夏。
 夏は五行説では「火」の性質を持つ季節です(大変分かりやすい解釈ですこ
 と)。
 次に日の性質ですが、これは上記三伏の日付計算に「○○の庚の日」と書い
 た「庚(かのえ:金の兄)」がそれを表します。

  庚の日 = 金の兄の日

 「兄」は陰陽説で陰陽を表す「兄」「弟」の「兄」で、強いとかはっきりし
 たということを意味します。つまり「金の兄」といえば、「金」の気が強く
 はっきりした日と言うことになります。

 五行説ではそれぞれの気の間に仲のよくない関係を示す「相剋(そうこく)」
 という考えがあります。「剋」は「かつ」とも読まれます。
 例えば、水と火は仲が悪く、水は火を消す作用があるから

  水剋火(すいこくか) = 水は火に剋(かつ)

 という具合です。三伏の日は季節は「火」で日は「金」。これは

  火剋金(かこくきん) = 火は金に剋(かつ)

 です。「金」は金属を表す言葉ですが、金属は火に当たると溶けてしまうか
 ら火は金より強い、金の気からすると火の気は苦手な相手なのです。

 「金」は季節では「秋」を示す気とされています。つまり三伏の日は秋の気
 を表す「金」の気を胎蔵した日であるにも拘わらず、その気が夏の「火」の
 気に圧倒されてしまう日と言うことになります。
 まあ、確かに三伏の時期は金属も溶けてしまうのではないかと言うくらい暑
 い季節ですから、なるほどという気がします。

 この「金気」を融かすほど暑い時期であることから、「三伏の候」といえば
 暑中の候の意味で使われるようになりました。
 あなたの暑中見舞いにも、「三伏の候」なんて文言をさらりと入れてみるの
 は如何でしょうか?
 
◇三伏の日付計算
 最初に示した三伏の日付は一般的な三伏の日の計算方式によるものです。
 こよみのページの三伏の日付もこの方式で計算しています。
 こうした暦注にはしばしばあることですが、別の流儀による計算方法がある
 場合があります。三伏に関してもやはり別の計算方式があります。
 例えば次の別法1,2などがその例。

 ・別法1
  初伏 ・・・ 夏至以後、三度目の庚の日 (7/19)
  中伏 ・・・  〃  、四度目の庚の日 (7/29)
  末伏 ・・・  〃  、五度目の庚の日 (8/08)

 ・別法2
  初伏 ・・・ 小暑以後、一度目の庚の日 (7/09)
  中伏 ・・・  〃  、二度目の庚の日 (7/19)
  末伏 ・・・  〃  、三度目の庚の日 (7/29)

 幸い今日はどの方式でも三伏の日の一つ(別法2では末伏、他は中伏)。
 どの方式でも「今日は三伏の日の一つ」という分には間違いありませんね。

◇三伏の日は凶日?
 三伏の日は、五行説では季節の性質と日の性質が合わない日と最初に書きま
 した。季節と日が喧嘩してしまうわけですから三伏の日は占い的には「凶日」
 です。

 「三伏の日は凶日」ということは占いを信じる人でもそんなに知られている
 とは思えません(三伏の日だから、結婚式を延期しましたなんて話を聞いた
 ことが無いですからね)。

 知らなければ何も気にならないのに、「凶日」といわれるとよくない日に思
 えてしまう。占いなんてこんなものですね。ご存じの通り私は占いを信じて
 いないので「三伏の日は凶日」と聞いても(言っても)全然気にならないの
 ですが、「凶日」といわれると気になるな・・・という方は、今日のこぼれ
 話の事は忘れて下さい。

 いや、全部忘れられると悲しいので「最後の部分だけ忘れて下さい」と言い
 直しておきます。
 さあ、今日も良い一日をお過ごし下さい(!?)。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/07/29 号

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