こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■先祖返りした「勤労感謝の日」
 おはようございます。本日は11/22 。
 明日11/23 は、国民の祝日の一つ「勤労感謝の日」です。
 勤労感謝の日は

 「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」

 とされていますが、11/23 がこの勤労感謝の日となった理由は、元々この日
 が新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)にあたる日であったからです。

 新嘗祭とはなんぞやと言うと、これはとっても古い行事。
 日本書紀によれば仁徳天皇の四十年には行われていたことになっています。
 仁徳天皇・・・までいってしまうと、神話の世界という気がしますので、本
 当にこんな昔から新嘗祭があったかは疑わしいですが、天武天皇六年(AD677)
 にも新嘗祭の記録が残っていますので、 7世紀には行われていたようです。
  7世紀ならそれでも充分古い行事といえますね。

◇新嘗祭の日取り
 さて、この古い行事の新嘗祭ですが、これが行われる日取りは、

  十一月の中卯の日

 と定められていました。「中卯」というのは、十一月に入って二度目の卯の
 日と言う意味です。「卯の日」というのは、日刊☆こよみのページの読者の
 皆さんには既におなじみの日付に割り振られた十二支の「卯」にあたる日で
 す。え、こんな話は耳(目)にタコができるほど聞いた(読んだ)?
 これは失礼。

 さてこの中卯の日ですが、その昔は旧暦の十一月の中卯の日として行われて
 いたわけですが、明治六年の太陽暦への改暦直後は、この「十一月の中卯の
 日」という規則を太陽暦の「十一月」に当てはめて日取りを決めました。

 日の干支の方は、改暦などにも影響されず十二日ごとに一巡して行きますか
 ら、明治六年の新暦のカレンダーで「二番目の卯の日」を探したところ、そ
 の日付が

  明治 6年11月23日 己卯

 となったので、この年の新嘗祭はこの日付に行われました。
 このままの方式で「十一月の中卯の日」を踏襲するとその日付は、

  明治 7年11月18日 己卯
  明治 8年11月13日 己卯
  明治 9年11月21日 癸巳
   (以下略)

 と毎年変わってしまいます。
 新嘗祭は祭日とされていましたので、毎年日付が大きく変わるのは不都合で
 あると考えられたのか、明治 7年以降はこの「十一月中卯の日」で日取りを
 決めることを止め、明治 6年の新嘗祭の日付であった11/23 を踏襲すること
 になりました。よって明治 6年からは「卯の日」にかかわらず、11月23日と
 いう日付に固定されるようになりました。

◇今年は先祖返り?
 十一月中卯の日は毎年日付が変わるといいましたが、これは一年の日数が12
 の倍数でないため起こるわけです。
 では「卯の日」ではなくて、日付に固定した日の十二支の変化を考えてみた
 らどうなるか考えてみましょう。

  1年は 365日、閏年なら 366日です。どちらも12の倍数では無いので、翌年
 の同じ日付の日の干支は翌年(※)が平年なら 5日、閏年なら 6日進みます。
 (※注意 その日付が2/29前なら「翌年」ではなく「その年」です)

 こんな風に変化日の干支は進んで行くと、何年かするとその進んだ日数が12
 の倍数となるときがきます。明治 6(1873)年11月23日の次に同じ日が「卯の
 日」となる年は、

  1889,1903,1912,1919,1928,1935,1944,1951,1960,1967,1976,1983,
  1992,1999,2008,2015,2024,2031,2040,・・・

 となります。
 今年2008年もこの、11月23日が卯の日となる年(明治 6年から数えると16回
 目)。今年は新嘗祭が11月23日に固定された明治 6年に戻ったように、

  新嘗祭は、十一月中卯の日

 となりました。
 なお、新嘗祭と現在の祝日である勤労感謝の日にまつわる話はWeb こよみの
 ページの、暦と天文の雑学にも詳しく書いてありますので、そちらもあわせ
 てお読み頂ければ幸いです。

 「勤労感謝の日と新嘗祭」→ http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0746.htm


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2008/11/22 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック