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■ハッピーマンデー法の対象となる祝日、ならない祝日
 通称ハッピーマンデー法と呼ばれる祝日法改正によって、祝日の日付が

  ○月第×月曜日

 に移動したものがあります。
 週休二日の普及によって土日が連続した休みとなるという人が増えてきまし
 たが、さらにこのハッピーマンデー法でいくつかの祝日を月曜に移動するこ
 とで、三連休という長めの休みを作ろうというしたわけです。

 さて、今年(2009年)の勤労感謝の日は月曜日です。
 これを見て、勤労感謝の日もハッピーマンデー法で月曜日に移動するように
 なったのかと考えた方がいたようで、その手の質問をいくつか受けました。
 しかしこれは誤解です。勤労感謝の日は11/23 という固定した日付の祝日で
 ハッピーマンデー法の対象にはなっていません。

 まあ、これは法律の文面を読めば分かることですので、どうなっているか確
 認したい方は

  国民の祝日に関する法律 (http://koyomi8.com/sub/syukujitsuhou.htm)

 をお読みください。
 上記の法律を読むと、ハッピーマンデー法の対象となっているのは現時点で

 成人の日(1/15から 1月第2月曜へ),海の日 ( 7/20から 7月第3月曜へ)
 敬老の日(9/15から 9月第3月曜へ),体育の日(10/10から10月第2月曜へ)

 の 4つです。
 まあ、これは法律に書いてあるとおりの事実ですがここでふと考えました。
 ハッピーマンデー法の対象となった祝日とそうでない祝日の選別は何処にあ
 るのかなと。

◇祝日の日付の意味
 ハッピーマンデー法の対象となった 4祝日をみてまず思うことは元々の祝日
 の日付の意味です。それぞれの祝日にはそれなりの意味があることにはなっ
 てはいますが、ではその意味はと云われてきちんと思い浮かぶものは体育の
 日の 10/10(東京オリンピック開会式の行われた日)くらいではないでしょ
 うか。体育の日の日付の理由だって、祝日としての意味と考えればまあそん
 なに東京オリンピックに義理立てしなくてもよさそうです。

 なるほど、その日付にたいした意味が無いのなら動かしてもいいかと、動か
 されてしまったのでしょうか。

 確かに、元日を 1/1以外にするわけにはいかないでしょうし、古くからある
 端午の節供と結びついていると考えられるこどもの日を 5/5から移動させる
 のも、難しいようには思いますが、では勤労感謝の日は 11/23から遷しちゃ
 いけない理由は?
 やはり、新嘗祭と切り離せないのかな?

◇明治憲法下の「休日ニ関スル件」との関係
 新嘗祭とは、現在の勤労感謝の日に行われる宮中祭祀ですが、そういえば現
 在の「国民の祝日に関する法律」に相当する明治憲法下の「休日ニ関スル件」
 という法律では「新嘗祭」自体が祭日となっていました。こう考えたときふ
 と、もしやこの古い「休日ニ関スル件」にあった祝祭日の日付はハッピーマ
 ンデー法の対象から外されているのではと思い浮かびました。

 そこで、試しに現在の祝日のリストに、「休日ニ関スル件」に有るものには
 「古」をそうでないものには「新」をつけ、さらにハッピーマンデー法の対
 象となっている 4祝日には「△」をつけてみました。
 その結果は以下のとおり。

   古  1/ 1 元日 (四方拝)
  △新  1/12 成人の日
   古  2/11 建国記念の日 (紀元節)
   古  3/20 春分の日 (春季皇霊祭)
   古  4/29 昭和の日 (天長節(昭和))
   新  5/ 3 憲法記念日
   新  5/ 4 みどりの日
   新  5/ 5 こどもの日
  △新  7/20 海の日
  △新  9/21 敬老の日
   古  9/23 秋分の日 (秋季皇霊祭)
  △新 10/12 体育の日
   古 11/ 3 文化の日 (明治節)
   古 11/23 勤労感謝の日 (新嘗祭)
   古 12/23 天皇誕生日 (天長節(平成) ※注意)
  (日付は2009年の祝日の日付とした)

 祝日の末尾に「(四方拝)」のように()書きされたものは、「休日ニ関ス
 ル件」でその日付に該当した祝祭日の名称です。

  12/23の今上天皇の天皇誕生日は当然明治憲法下の「休日ニ関スル件」には
 登場しないものですが、天皇誕生日は「休日ニ関スル件」の下では「天長節」
 とされたものですから、もしこれが続いていれば間違いなく天長節となった
 はずなので、「古」としました。

 こうしてみると「古」のついたものは一つもハッピーマンデー法の対象とは
 なっていません。全部「新」の祝日ばかりです。

◇ハッピーマンデー法の対象にならない「新」の祝日
 「古」の祝日がハッピーマンデー法の対象となっていないという法則(?)
 は有るようですが、では「新」の中でハッピーマンデー法の対象となるかな
 らないか、その明暗を分けるものは何でしょうか。
 「新」なのに現段階でハッピーマンデー法の対象となっていないものを見て
 みると、

  憲法記念日(5/3), みどりの日(5/4),こどもの日(5/5)

 の 3つの祝日ということが分かります。
 これを見て思うことは、全部ゴールデンウィークを形成する祝日だというこ
 とです。なるほど。

 ハッピーマンデー法の元々のねらいは「連休を作る」ことだったわけですが
 だとすると毎年、祝日がらみの長い連休となるゴールデンウィークを既に形
 成している祝日をわざわざ移動させる意味が無いことになります。

◇ハッピーマンデー法の対象となる祝日の条件
 ここまで考えると、ハッピーマンデー法の対象となる祝日の条件は

  1.戦後の「国民の祝日に関する法律」ではじめて祝日となった祝日こと。
  2.本来の日付のままでは大型の連休を形成しない単発の祝日であること。

 の 2つを満たすものではないでしょうか。
 ハッピーマンデー法の何処にもそんな条件は見いだせませんが、現段階で対
 象となった祝日、ならなかった祝日を見て行くとこんな「条件」が見えてく
 る気がします。さてさて、真偽のほどは?

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2009/11/21 号

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