こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■月出没の無い日
 この日刊☆こよみのページを継続してお読み下さっている方なら、時折月の
 出や月没時刻が下のように「無し」となっていることがあるのに気づかれて
 いると思います。気づいていなかった方は、これから気づいてくださいね。

 さて、これに気付いた読者のムーちゃんからこの件に関して質問が寄せられ
 ました。以下、そのメールの抜粋です。

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  11月14日の大阪の月没は、「無」となっていましたのに
  翌日の15日の月出は、時間(13時8分)が記載されています。

  これはどうしてでしょうか?
  お時間があればご教示ください。
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 では、その「大阪」の月の出没時刻について、話に関係しそうな数日分を抜
 き出してみましょう。

  ◆大阪
   11/12 月出 11時39分  月没 22時22分
   11/13 月出 12時12分  月没 23時20分
   11/14 月出 12時41分  月没 ・・無し
   11/15 月出 13時 8分  月没  0時15分

 確かに 11/14の「月没」の時刻がありません。「月出」はあるのに。
 なぜこんな事になるかというと・・・なんて大上段に構える必要はありませ
 ん。種は月出なら月出を、月没なら月没の時刻を使って次の日の現象との間
 隔を考えてみてください。

 月出で見てみると
  24時間33分(13-12日)、24時間29分(14-13日)、24時間27分(15-14日)

 月没で見てみると
  24時間58分(13-12日)、24時間55分(15-13日)

 ご覧の通り月出も月没もその間隔は24時間より広い。平均すると大体24時間
 50分程になるのです。 1日は24時間ですから、どこかで月出や月没が丸々一
 日「跨いでしまう」ことがあるのです。そうやって跨ぎ越されてしまったの
 が「月出や月没のない日」ということです。

 日毎の月出と月没の日付と時刻の前後関係からどの日時に出た月がどの日時
 に沈むのか、一つずつつ組合せを考えてみてください。

  11/12の11時39分に出た月は11/12の22時22分に沈む。
  11/13の12時12分に出た月は11/13の23時20分に沈む。
  11/14の12時41分に出た月は11/15の 0時15分に沈む・・・。

 14日に出た月は14日中には沈まず、日付が15日に変わった頃ようやく沈むた
 めに、14日中の「月没」という現象が無くなっているだけなのでした。

◇太陽と月の違い
 今回のようにその日に月出だけがあって月没がない、あるいは逆に月出が無
 くて月没だけがあるような場合が毎月 1度(たまに 2度)起こります。
 ありふれた事なのですが、日本のような中緯度の国では

  その日の朝に昇った太陽は、その日の夕方に沈む

 と必ず出没が一組となってその日一日で完結するのに対して、月の出没の組
 合せは必ずしもある日一日のうちで完結するわけではありません。
 太陽も月も同じように、出没のサイクルが 1日のうちに完結すると思い込ん
 でしまうと、質問を送ってきて下さったムーさんのように、

  なぜ月の出があるのに月没がないの?

 と不思議に感じる事になるのでしょう。
 この手の質問は、こよみのページにはよく寄せられる「よくある質問」の一
 つ。それだけ多くの人が引っかかってしまう問題なのでしょう。

 しかし、手品がその種を明かされれば不思議なものでないように、今回の
 「月没の無い日」も、種(?)が解ってしまえば不思議でも何でもないもの
 なのでした。

 本日は、ムーさんから頂いた質問から、よくある質問についての種明かしを
 してみました。
 (ムーさん、納得してもらえましたか?)


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2010/11/16 号

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