こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■柊以外の目突柴(もう一つの節分植物)
【目突柴】(めつき しば)
 (鬼の目を突く意)
 節分の夜に鰯(いわし)の頭、柊(ひいらぎ)の葉などを刺し、家の戸口・
 窓などに挿す木の枝。近畿地方でいう。鬼の目刺し。焼刺。
   《広辞苑・第六版》

 節分を十日過ぎた今頃(2011/02/12に書いています)、節分の行事植物の話
 しとは少々時期を逸してしまって間抜けな感が有りますが、気になって調べ
 ておりましたので紹介させて頂きます。

◇和歌山県南部のローカルな「鬼の目突き」植物
 現在私の住んでいる和歌山県の南部では、節分に飾る棘のある植物のことを
 「鬼の目突き」と呼びます。
 「鬼の目突き」も「目突柴」も「鬼の目刺し」も何れも鬼の目を突く鋭い棘
 を持つ植物を指し、その植物として専ら使われるのは柊です。
 ところが、和歌山出身の家内に聞くと

  この辺りでいう鬼の目突きは柊じゃない。
  葉っぱは小さくて丸く、棘は枝から出ている。

 とのこと。
 福島県出身者の私は、節分で鬼の目を突く植物といえば「柊」と思っていた
 ので、その他の選択肢を考えてもいませんでした。「この辺り」ということ
 は、近所の家の節分のしつらえを気にして眺めていれば気が付いたのでしょ
 うが、「柊じゃない」と聞いたのが節分の後だったので、飾られている現物
 を今年は目にすることが出来ませんでした。

 どんな植物か気になるので、インターネットで「鬼の目突き」や「目突柴」
 で検索してみると沢山ヒットしますが出てくるのは柊ばかり。
 仕方がないので「丸くて小さい葉っぱで枝から棘の出ている植物」を植物図
 鑑で探して見てもなかなか「これ!」というのが見つかりませんでした。

 これは、来年注意して見ることにするかと思っていたところ、思わぬところ
 で答えが見つかりました。それは2011/02/11の熊野新聞という地方新聞。
 その地域情報のページに「鬼の目突き」の紹介があり、その中で「メギ科の
 植物」と書いてありました。

 調べてみると「メギ」は「目木」と書くようです。葉っぱは丸くて小さく、
 枝から出た鋭い棘がその葉っぱの間から顔をのぞかせます。本気で鬼の目を
 突くなら柊よりずっと効果がありそう。

 この辺りでも柊は生えているのに、なぜ鬼の目突きがメギになったのかは、
 今のところ謎。謎が解けると次の謎が生まれてきます。

◇メギについての余談
 メギ(目木)という名前は、この木の茎を煎じて洗眼薬を作るからというと
 のこと。鬼の目を突くからという話ではなさそうです。

 ちなみにメギの異称は「コトリトマラズ」。同じくメギ属には「ヘビノボラ
 ズ」なんて云う木もありました。どれもその枝に鋭い棘があることが関係し
 ているのでしょう。

◇他はみんな「柊」なの?
 一つ例外が見つかると気になるのは、他にも例外が無いかということ。
 今まで「柊」があたりまえと、あまり気にしていませんでしたが、この辺り
 の問題も気になります。

  私の住んでいるところでは、目突柴として○○を使います

 といったその他の例外情報が有れば是非お願いします。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2011/02/12 号

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