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■みどりの日に「国民の休日」の話
 今日は、 5/4。「みどりの日」です。
 みどりの日は国民の祝日に関する法律に、「自然に親しむとともにその恩恵
 に感謝し、豊かな心をはぐくむ。」ための祝日として1989年に生まれました。
 しかし、この祝日が生まれた1989年から2006年まではその日取りは4/29。
 現在の 5/4に変更されたのは2007年以後のことです。
 ちなみにこの日取りの変更は、2005年に可決された国民の祝日に関する法律
 の改正(いわゆる、昭和の日法案)によります。

◇「みどりの日」以前も休みだった、 5/4
  5/4がみどりの日として祝日の仲間入りをしたのは2007年(平成19年)。
 しかし、それ以前もこの日は確か休日だったような・・・と覚えている方も
 いらっしゃることでしょう。
 確かにその通り、1988年から2006年までは、国民の休日と呼ばれる休日でし
 た。

◇国民の休日
 何度も登場する「国民の祝日に関する法律」の中に1985年の年末に次の条文
 が追加されました。

  第三条 (休日)
   3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(日曜日にあたる日
     及び前項に規定する休日にあたる日を除く。)は、休日とする。

 この条文によって、5/3の憲法記念日と5/5のこどもの日に挟まれた 5/4は休
 日となるようになりました。

 この条文は、追加された1985/12/27に即日施行とされていましたので、翌年
 の1986年に国民の休日第一号が生まれたかのように見えるのですが、実際に
 この法律による休日が出現したのはその 2年後の1988年でした。
 理由は条文の中の()内で除外された日曜日と「前項に規定する休日」(い
 わゆる振替休日)に 5/4があたっていたからです。

 既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが国民の休日を規定したこの条
 文にはどこにも「国民の休日」という言葉は出てきません。出てくるのは単
 なる「休日」という言葉のみ。実は「国民の休日」という呼び名は、単に他
 の休日と区別するために使われるようになった名前で、正式な呼び名ではあ
 りません。「国民の休日(通称)」といったところです。

 この法律によって 5/4が国民の休日となったのは
  1988,1989,1990,1991,1993,1994,1995,1996,1999,
  2000,2001,2002,2004,2005,2006
 の15回でした。

 なおこの条文は現在は小修正(2007年改正)されていますので参考までに現
 在の条文も掲載しておきます。

  第三条 (休日)
   3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でな
     い日に限る。)は、休日とする。

◇みどりの日出現で消えた国民の祝日?
 1985年の法律改正は、どう考えても大型の連休を途中で分断してしまいがち
 な 5/4を休みにしてしまおうという目的でなされたもののようですが、こう
 して折角生まれた国民の休日も、2007年から 5/4そのものが「みどりの日」
 として祝日の列に加わるようになる(「昇格」かな?)と、作られた頃の目
 的を失ってしまったように見えました。ですが、思わぬところで再び国民の
 休日にはカレンダーの表舞台に登場機会が訪れました。

◇「敬老の日」が移動祝日に
 2001年の法律改正で、2003年からそれまで9/15という日付に固定されていた
 敬老の日が「九月の第三月曜日」という9/15〜21の間で年ごとに日付の変化
 する移動祝日となりました。

 ちょうど 9月のこのあたりには、9/22,23 の日取りとなる祝日、秋分の日が
 ありました。こうなると

  敬老の日が 9/20で秋分の日が 9/22
  敬老の日が 9/21で秋分の日が 9/23

 となる年があればこの間に挟まれた9/21か9/22が国民の休日となることにな
 ります。みどりの日に追われて消えたように見えた国民の休日ですが、敬老
 の日(と秋分の日)によって、かろうじてその命脈を保つことになりました。
 ただし、近年は上記のような敬老の日と秋分の日の組み合わせとなった年だ
 けにしか登場しませんので、

  国民の休日(通称)は忘れた頃にやってくる。

 といった感じ。
 このパターンでの最初の登場は2009/09/22。その後の登場は2015年、2026年
 といった具合で、かなり間が開きます。 2度目、 3度目が登場する前に法律
 の条文が変更されてしまうかもしれませんね。

 本日は、祝日「みどりの日」なのに、なぜか「国民の休日」の話でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2011/05/04 号

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