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■天一天上と塞がり
 昨日は、「方塞がりと方違え」の話を暦のこぼれ話で採り上げました。
 そして本日は、今日の暦で見ると「天一天上の終わり」とあります。これは
 明日からまた方角を気にする44日間が始まることを意味します。

◇天一(てんいち)神の帰還
 天一神は十二神将の主将で、中神(なかがみ)とも呼ばれます。
 この神様は方角を気にする方にとって問題となる方塞がりの元凶となる神様
 といってもよい神様です。ある日の方塞がりの方角はと考える場合、その大
 部分はこの天一神のいらっしゃる方角となります。

 この天一神は己酉(つちのとのとり)から戊申(つちのえさる)までの44日
 間、地上にあってあちらこちらと巡り歩きます。これを天一神遊行(ゆうぎ
 ょう)といいます。

 明日の日の干支を見ると己酉。つまり天一神が遊行を始めるその日に当たり
 ます。日の干支の数は60干支ですから60日分あります。ところが天一神が遊
 行する期間は44日間。とすると残り16日は何かというと、この神様が天に帰
 っている期間なのです。

 この16日間を「天一天上」とよび、この期間はやっかいな天一神が地上にい
 らっしゃらないので、方塞がりの方角がなくなり、どこへでも自由に出歩け
 る目出度い期間とされました。今日の暦データにある「天一天上終わり」と
 は、この目出度い期間の終わりを告げる日なのです。
 ああ、明日からまたやっかいな日々が始まりますね。

◇天一神遊行の日程
 このやっかいな天一神ですが、やっかいな神様の日常にもやっかいなことは
 多いようです。なぜなら遊行といいつつ、好き勝手な方向には行けず、日の
 干支によってどの方角に遊び(?)に行くか決められているからです。

  己酉の日から 6日間 ・・・ 艮(うしとら、東北)の方角
  乙卯の日から 5日間 ・・・ 卯(う、東)の方角
  庚申の日から 6日間 ・・・ 巽(たつみ、東南)の方角
  丙寅の日から 5日間 ・・・ 午(うま、南)の方角
  辛未の日から 6日間 ・・・ 坤(ひつじさる、南西)の方角
  丁丑の日から 5日間 ・・・ 酉(うしとら、西)の方角
  壬午の日から 6日間 ・・・ 乾(いぬい、西北)の方角
  戊子の日から 5日間 ・・・ 子(ね、北)の方角

 何のことはなく、6日ないし5日毎に方位を八分割した一つ一つを時計回りに
 巡っているだけです。
 毎日歩くコースを決めて散歩している感じですね。
 単純な法則ではありますが、「あれ、今日はどっち?」というのは干支表を
 チェックしないとわかりませんから、やはりめんどくさいといえばめんどく
 さいですね。

 こんな事を気にしながら出かけなくちゃいけないとしたら、こんな制限のな
 くなる天一天上の期間はありがたい日だったのかもしれませんね。
 方塞がりら方違えやらを気にしていた平安時代の貴族は大変だったなようで
 すね。

 こんな事を気にしなくなった現代に生まれてほんとによかったと思うかわう
 そでした。そこで、一言。

  「方塞がり、気にしなければいつでも天一天上」
   by かわうそ@暦

 お粗末様でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2011/12/19 号

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