こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■春一番
 寒い日が続いておりましたが、昨日今日はその寒さがゆるんでほっとしてい
 る私です。

 ああ、暖かくなったなと思っていたら今朝の天気はなんだか荒れ模様。
 天気予報によれば、今日あたり春一番が吹くのではということでした。

◇春一番とは
 言葉について、いつもお世話になる広辞苑によれば、「春一番」とは

  『立春後、はじめて吹く強い南寄りの風。はるいち。春の季語。』

 だそうです。
 春一番が吹く日付は年によって遅速がありますが、平均すると2/26だそうで
 すから、もし今日春一番が吹いたとしたら今年はやや早めと云うことになり
 そうです。

 春一番が吹く原因は日本海を低気圧が発達しながら通過して行く場合にこれ
 に向かって南方から風が吹き込むことによります。南方からの風ですから暖
 かく、春一番が吹く日は暖かい日となります。

 暖かい風によって、冬の間眠りについている木々の芽や花の蕾は目をさます
 ことになるのでしょうね。
 春一番は少々荒っぽい強い風ですが、木の芽、蕾の目を覚まさせるためには
 これくらい荒っぽい方が効果的なのかな?

◇もとは、漁師が恐れた風の名前
 さて、この春を知らせる少々荒っぽい風の名前は、もとは漁師を恐れさせた
 時化(しけ)を呼ぶ春の風の名だったそうです。

 春の始めに吹くこの強い南風を「春一番」と呼ぶようになったきっかけは安
 政 6年(1859)に壱岐(長崎県)の漁民がこの風に吹かれて起こした大量遭難だ
 と云われます。この遭難で亡くなった方は53人にのぼったとか。これ以後、
 漁師たちは春の初めのこの強い南風を「春一(はるいち)」と呼んで恐れる
 ようになったと云います。

 街中では、「少々荒っぽい風だな」くらいで済みますが、海の上では命に関
 わる風だったということです。

◇春一番の後
 春一番が吹く原因となるこの時期の日本海側の低気圧は足が速く、瞬く間に
 移動していってしまいます。
 低気圧が去ってしまうと、春一番によって北に押し上げられていた冬の寒い
 空気が再びその力を盛り返して、寒さがぶり返すことが通例。

 強い南風で暖かくなったと思ってもそれは一瞬のこと。
 暖かくなったと思った後に戻ってくる寒さは、一層身にしみそうです。

  「今日は暖かいな」

 なんて思っても薄着になるのは、まだ気が早すぎるようですね。

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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/02/07 号

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