こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■梅と桜の開花前線
 私の生まれ故郷は福島県の郡山市です。
 この生まれ故郷にほど近い場所に三春(みはる)があります。
 (三春町のHP http://www.town.miharu.fukushima.jp/ )

 三春町には、日本の三大桜(あるいは五大桜)に名を連ねる滝桜があり、春
 の連休の頃には満開となり、沢山の観光客を集めています。この桜を一目見
 ようと集まった観光客で、小さな三春町の道路が混雑する時期です。

 おかげで、ほとんど地元とも云える距離に生まれ育った私ですが、生まれ故
 郷にいた時分でも滝桜が満開となる時期にこの桜を見た記憶がありません。
 だって、混雑して大変なんだもの。

 そんなわけで、滝桜の三春町の近くに住んでいた時代から、この桜の花の様
 子は、もっぱらTVニュースの映像で知るばかりでした。
 そんな三春の滝桜の花の様子を、今年もTVニュースで知りました。どうやら
 この週末辺りが見頃と云うことのようです。

◇北国では、梅と桜のデッドヒート?
  「三春は春の花、梅と桜と桃の花が一度に咲く場所だから三春」

 と子供の頃から聞かされていました。
 「へー、そんなこともあるのかな」と子供だった頃の私は聞いていました。

 これは、子供の頃の私が今と違って素直で人の話を疑わない質であったから
 というわけではありません(「子供の頃からひねくれていた」と悪くとらな
 いでください。まあ、そうとられても間違いじゃありませんけど)。
 不思議に思わなかったのは、私の周りでも梅と桜はあまり違わない時期に花
 を咲かせていたからです。

 桃の花については、梅や桜ほど身の回りに桃の木が無かったのであまり記憶
 に残っていないので何とも言えませんが、私の生まれ故郷の郡山市辺りでも
 少なくとも梅と桜の二つの春の花は同じ頃に咲いていたと思います。
 三春町だけが特殊というわけでは無いようです。

 大人になってあちこちに住むようになると、「梅は早春に、桜は春の盛り」
 に咲くのが当たり前と何時しか思うようになっていました。大人になってか
 ら身につけた常識に照らすと、子供の頃の実体験は、ちょっと不思議。

 気になったのでインターネットで梅の開花時期と桜の開花時期についてまと
 めているサイトを探して眺めてみると、

  地域  梅の開花 桜の開花
  鹿児島  2月中旬  3月下旬
  大阪   2月下旬  3月下旬
  東京   2月下旬  3月下旬
  仙台   4月上旬  4月上旬
  青森   4月下旬  4月下旬
  札幌   5月中旬  5月上旬
 (※梅、桜の開花前線については次のサイトを参考とさせて頂きました。
  ・なんでも梅学
   http://minabe.net/gaku/hana/kaikazensen.html
  ・ウィキペディア 
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E5%89%8D%E7%B7%9A )

 九州から関東辺りまでは、 1ヶ月以上も開花時期に差がある梅と桜ですが、
 東北に入った辺りからその差はぐっと狭まり、北海道に渡る頃には、出遅れ
 ていた桜が先行の梅を追い抜く逆転劇が見られるようです。

 こんな現象が起こるのは、梅と桜の開花の仕組みに違いがあるため(詳しく
 は上記のサイト他に仕組みの解説がありますのでご覧ください)です。
 ともあれ、今この瞬間も北国では梅と桜が開花時期でデッドヒートを繰り広
 げているはずです。

 私の生まれ故郷の郡山市は東北の南端の県、福島県にあります。
 梅と桜の開花時期の差が一気に縮まる辺りですから、こんな場所で育った私
 ですから、子供の頃に「梅と桜が同時に咲く」ことに違和感をおぼえなかっ
 たのは当然と云えば当然だったわけです。

 梅と桜と桃の花が同時に咲くということからついた三春という地名が町名と
 なった三春町も同じく福島県の町。付くべくして付いた町名なんですね。

 北国の冬は寒くて雪が多くて、そして長い。大変ですけれど、その代わりに
 百花繚乱の豪華な春が用意されているようです。

 豪華な東北の春の中にあっても際だって有名な三春の滝桜の花のニュースか
 ら思いついた、本日のこぼれ話でした。


  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/04/29 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック