こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■「畳の日」と「エメラルドの日」のそれぞれの選択
 ゴールデンウィーク中は祝日がいっぱいあって、暦のこぼれ話に書く話の種
 は沢山あります。とっても嬉しい期間です・・・といいながら、この話の種
 は頭痛の種にもなることがあります。

  ・連日、祝日の由来やエピソードでは飽きてしまう。
  ・毎年書いていては、飽きてしまう。

 これが、頭痛の種となる理由です。「飽きてしまう」のはお読みになる皆さ
 んもでしょうが、それ以上に書いている私が「飽きてしまう」のでした。
 このようなわけですので、祝日エピソードに飽きた私が選んだ本日のこぼれ
 話は、「畳の日」と「エメラルドの日」という記念日の日付の話です。
 (結局、祝日エピソードを止めても記念日エピソードか・・・)

◇「みどりの日」と二つの記念日
 本日、5/4 は祝日の「みどりの日」です。

  あれ、みどりの日って5/4 だった?

 そう思う方はいらっしゃいませんか?
 言われて見れば、5/4 は国民の休日なんて呼ばれ方をしていたなと思い出す
 方もきっといらっしゃることでしょう。
 かく言う私もその一人。
 1986〜2006年の間(の祝日でも日曜日でも振り替え休日でも無い日)の 5/4
 は、一般に「国民の休日」と呼ばれていました。

 では、「みどりの日」はと云うと、1989〜2006年までは4/29がその日付でし
 た。そして、4/29が「みどりの日」だった時代にこの祝日の名前から着想さ
 れた二つの記念日が生まれました。
 一つは「畳の日」、そしてもう一つは「エメラルドの日」です。
 二つの記念日の制定の理由を見ると

 ・畳の日 ・・・ 畳の原料となるい草の緑色から。
 ・エメラルドの日 ・・・ 緑色の宝石エメラルドをPRする日

 どちらも「みどり」がキーワードです。

◇今日は「エメラルドの日」だけど・・・
 さて今日の記念日を見ると、「エメラルドの日」はありました。
 エメラルドの日はみどりの日が2007年に4/29から現在の 5/4に変更になった
 ときに、一緒に 5/4に移動してきたのです。

 でも、みどりの日が4/29だった頃、席を並べていた「畳の日」が今日の記念
 日にはありませんでした。

  書き忘れたのか?

 いえ、そんなわけではありません。
 「畳の日」がどうなったかというと、畳の日は4/29という昔のみどりの日の
 日付にそのままとどまっていました。
 この結果、畳の日は4/29、エメラルドの日は 5/4とその日付が違ってきてし
 まいました。

 記念日データを集め、また新たな記念日を登録している日本記念日協会とい
 う名前の民間団体があります。こちらのHPで、いろいろな記念日について検
 索することが出来ます。畳の日もエメラルドの日もこちらで調べることが出
 来ますので、お時間があればどうぞ。

  日本記念日協会「今日の記念日」 http://www.kinenbi.gr.jp/

◇それぞれの選択
 何かの業界団体が宣伝効果やPRキャンペーンのために、理由をつけてある日
 付に「○○の日」なんて記念日を作ることはよくあることです。

 畳の日もエメラルドの日もどちらも「みどりの日」という祝日が出来たこと
 で、緑つながりでその日を記念日にしたまではよくあるパターンですね。

 みどりの日がずっと同じ日付だったら、今でも二つの記念日は並んで同じ日
 付の今日の記念日欄に掲載されているはずでしたが、「みどりの日」の日付
 が変更されてしまうという出来事が二つの記念日の間を引き裂くという悲劇
 (?)を生み出してしまいました。

  同じ日に育った二つの記念日は、時代の流れに翻弄され、違った道を歩
  くことになった。
  「畳の日」は古き伝統を守って4/29にとどまり、「エメラルドの日」は
  「みどりの日」と行をともにし、新天地 5/4へと旅立って行った。
  二つの記念日の歩む道は分かれ、再び交わることは無かった・・・。

 無理矢理に悲劇仕立てにするならこんな宣伝文句になりそうですね。
 話は冗談めいてしまいましたが、記念日の日付とその記念日の作られた意味
 の双方が一致しているうちは何の問題もありませんが、その二つが分かれて
 しまったときに、日付をとるか意味をとるか。さあ難しい問題です。

 さて、異なった道を進み始めた「畳の日」と「エメラルドの日」、どちらの
 選択が正しかったのか。その答は、時だけが知っているといった所でしょう。
 10年もして、まだ日刊☆こよみのページが続いていたら・・・あ、軽いめま
 いが・・・振り返って検証してみたい問題です。
 どうなっているでしょうね?

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/05/04 号

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