■地域限定? 「山の日・川の日」
今日は 7月の第 3月曜日。祝日の「海の日」です。
海の日とは、
「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」
という、海洋国日本らしい祝日です。
さあ、今日は海の日。海の恩恵に感謝しつつ、海に親しむ日としようじゃあ
りませんか。
◇海の無い県
しかし、海洋国といわれる日本ですが、どこもかしこも「海」があるわけじ
ゃありません。日本には海岸線を持たない、つまり海と面していない県も有
ります。
こうした、海岸線を持たない県を内陸県と呼ぶそうです( 1都1道2府はみん
な海岸線をもっているので、海岸線を持たないのは「県」のみ)。
内陸県は、どことどこ?
さて、地図帳を開いて探してみましょう。
探してみた結果見つかった県は 8つ。
栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県
そして 奈良県
奈良県だけ 2行目に分けて書いたのには理由が有ります。
それは、奈良県だけ孤立した県だからです。
8 つの内陸県のうち 1行目に書いた 7県はそれぞれが他の 6県のどれかと県
境を接していて一続きになっているのですが、奈良県だけは、他の内陸県と
は県境を接しておりません。
さすが、「国のまほろば」と称えられた奈良。
一人、孤高を保っている感じですね。
◇それはさておき、「山の日・川の日」
海洋国日本には数少ない内陸県の中でも、孤高を保つ奈良県。
その奈良県が、内陸県の誇りを賭け(←この部分は、かわうその勝手な思い
込み)、作ったのが
山の日・川の日
今日「海の日」は奈良県にあっては、「山の日・川の日」でも有るのです。
◇奈良県山の日・川の日条例
この条例の制定は平成20年 7月11日。
内容を知るために、その条例の一部を抜粋してみましょう。
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奈良県山の日・川の日条例
(目的)
第一条
この条例は、奈良の山と川が県民をはじめ奈良を訪れる人々にとって共
通の貴重な財産であることにかんがみ・・・中略・・・奈良県山の日・川
の日を設け、もって県民が誇りと愛着を持つことのできる奈良の美しい山
と川をはぐくみ、次世代に引き継ぐことを目的とする。
(奈良県山の日・川の日)
第二条 奈良県山の日・川の日は、七月の第三月曜日とする。
《奈良県条例第九号より抜粋》
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日付を決めた第二条に、「七月の第三月曜日」とあることから、この山の日
・川の日は毎年、祝日の「海の日」と被ることになります(というか、被せ
たわけですね)。毎年、海の日がやってきたら、
ああ、今日は「奈良県山の日・川の日」だったな
と思い出して下さい。
もちろん「海の日」もたいせつですから、海も山も川も分け隔てすることな
く大切にして、この美しい国を守って行きましょう。
ああ、目出度し目出度し。
以上、無理矢理大団円の、本日の暦のこぼれ話でした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2012/07/16 号
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