こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■カボチャのランプ
 10/31はハロウィン。
 「ハロウィンなんて、日本には定着しないにちがいない!」
 なんて、ほざいていたかわうそ@暦ですが、定着しちゃったかな?

 定着しちゃったものは仕方がない。
 長い物には、まかれることにしよう・・・と節操なく、機能に引き続き本日
 もハロウィン物です。本日は、ハロウィンにはつきもののカボチャのランプ
 の話です。

◇カボチャのランプ、ほんとうはカブのランプ?
 ハロウィンといえばカボチャのランプ。
 ハロウィンの飾り物といえば、おばけの顔(?)をしたカボチャが定番とな
 るほど有名なランプです。このランプの名前を

  ジャック・オ・ランタン (Jack-o'lantern)

 と云います。
 このランタンに名前を残したジャックは生前は大変な悪戯者だったそうで、
 そのいたずらの矛先は悪魔にまで向けられました。
 ジャックの悪戯に困った悪魔は、その悪戯から逃れるために、

  「今後はジャックにだけは悪さをしない」

 と約束してしまいました。
 そんな日から月日は流れて、悪戯者のジャックにもついに死が訪れました。
 死んでしまったジャックですが、その生前の悪戯のために天国には入れず、
 悪魔もまた、地獄への門を閉ざしてしまいました。
 死んだジャックは天国へも地獄へも行けず、天国と地獄の狭間の暗く冷たい
 煉獄(れんごく)を最後の審判の日まで彷徨い続けることになりました。

 そんなジャックに悪魔が唯一くれたものが小さな灯。ジャックはその灯を拾
 ったカブをくりぬいて、ランプにして足下を照らしながら最後の審判の日を
 待ちながら彷徨い続けているのだそうです。

 さて、ハロウィンに現世にさまよい出る悪霊というのは、天国へも地獄へも
 いけずこの煉獄を彷徨う霊なのだそうで、その足下を照らすランプがあのジ
 ャック・オ・ランタンです。

 悪魔は「ジャックにだけは悪さをしない」という約束をしてしまっているの
 でジャックのランプがあるところには寄りつきません。こんな訳で、このラ
 ンプのの灯には悪霊を遠ざける効用があるということで、悪霊よけとしてハ
 ロウィンの夜にはこのランプを家の周りに飾るのです。

 ただこの故事からするとこのランプは本来は「カブ」で作るのが正しそうで
 す(イギリスやアメリカにはカブで作る地域もあるそうです)。
 ではなぜカボチャになったのか?
 その経緯は残念ながら私は知りません。
 ただ、普通のカブでランタン作るのはかなり難しい(大きさ的に)。
 その点、カボチャなら・・・ってことじゃないかなと思っています。

 カボチャ、いや、カブのランプを持って煉獄を彷徨うジャックを哀れと思う
 か、自業自得だと思うかは人それぞれでしょうね。

 私としては、そんな悪戯者のジャックより、悪戯されたあげくの約束にもか
 かわらず、それを守り続けて、ジャックのランプに近寄らないようにしてい
 る律義な悪魔が、「いい奴だな」と思えてしまった、ハロウィンの日の朝で
 した。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2013/10/31 号

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