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■うぐいす鳴く(七十二候)
 今日から七十二候、立春の次候、「うぐいす鳴く」に入りました(2014年は
 2/9〜13 の間)。

 ウグイスの別名は、春告鳥(はるつげどり)あるいは春知らせ鳥。
 春立つ日、「立春」の期間の二番目の七十二候として登場するには相応しい
 鳥です。

 が、一昨日から日本列島はどっぷりと猛烈な寒波の下。
 この冴え返る寒さの下では、春告鳥も春を告げる気分にはならないことでし
 ょうね。

◇ウメにウグイス
 寒さに震える現実のウグイスには申し訳ないが、やはり春告鳥は暦の上の春
 の説明には欠かせないですから、登場して頂くことにします。

 二つのものが調和しており、取り合わせがよいものという意味で使われる言
 葉に、「梅に鶯(ウメにウグイス)」があります。
 他にも、柳に燕、松に鶴、牡丹に唐獅子、紅葉に鹿、といろいろと浮かびま
 すが、梅に鶯はその筆頭ではないでしょうか。

 この「梅に鶯」ですが、その構図として思い浮かぶのは花札の絵柄。
 花の盛りの紅梅の枝に、黄色の喉に黄味がかった濃緑の羽を持った鶯がとま
 っている図です。

 鶯が春告鳥なら、梅は春を告げる花。その花の咲く枝に鶯がやってきて、花
 蜜を吸いながらその合間々々にホーホケキョと鳴く声を聞けば、春が来たな
 と実感しますね・・・。

 しかし、このベストマッチと云えそうな梅に鶯の取り合わせは、現実の世界
 ではまず有り得ないもののようです。
 鴬は笹藪などの茂みを好む鳥なので、人目につく梅の枝に鴬が留まるという
 ことはなかなか無いそうです。なにより、鴬の羽色は茶色がかった褐色。
 梅に鴬の言葉で浮かぶ花札の絵柄にある緑の羽を持った鳥ではありません。

 梅の枝にやってきてその花蜜を吸うことを好む鳥は目白(メジロ)。こちら
 の羽色は黄色がかった濃緑色、喉の辺りは黄色。
 どうやら、「梅に鴬」で思い浮かぶ花札の絵柄は本当は「梅に目白」の組み
 合わせのようです。

 ちなみに目白の鳴き声は、チーチーチュルチュルチュルーーチーという具合
 で、鴬の鳴き声とは大分違います。
 梅の枝に目白が留まり、その花蜜を吸っているところに、近くの藪の中に姿
 を隠したままの鴬がホーホケキョと鳴いているという、

  「梅に目白に鴬の声」

 吹き替え映画を作っているようなこんな図が、「梅に鴬」の現実の姿のよう
 です。

 さてさて、一昨日、昨日、そして今日と強い寒波の下で雪の降る天気では、
 吹き替え映画のような「梅に目白に鶯の声」の組み合わせは難しいでしょう
 けれど、今は「うぐいす鳴く」という今日の七十二候の言葉によくあう、こ
 うした映像を目にし、その声を耳にする日が早く来ることを祈ることにしま
 しょう。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2014/02/09 号

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