こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■五山の送り火
 月遅れのお盆も今日で終わり。
 お盆の時期に子孫の元を訪れていたご先祖様の霊はも、お帰りにならなけれ
 ばならない日です。
 名残は尽きませんが今日の夕方には、ご先祖様方は送り火の煙にのって帰っ
 て行くことになります。

 それぞれの家庭でそれぞれのご先祖様を送る送り火を焚くように、京都では
 京都を囲む五つので、山を覆うほどの大きな送り火が焚かれます。
 それが「五山の送り火」あるいは「大文字の送り火」と呼ばれるものです。

◇五山と五山の送り火の起源
 五山の送り火は、

  大文字山(如意ヶ嶽)の「大(大文字)」
  松ヶ崎西山・東山の「妙法(松ヶ崎妙法)」
  西賀茂船山の「舟形(舟形万燈籠)」
  大北山の「大(左大文字)」
  鳥居本曼荼羅山の「鳥居形(鳥居形松明)」

 の五つ(「妙法」は二文字ですので文字・図形の数では六つですが・・・)
 です。
 五山の送り火は、盆に訪れていた「精霊(しょうらい)さん」を送り出すた
 めに焚くのだと云われますから、盆の送り火の盛大なバージョンだと云えま
 す。

 十六世紀の後半には、既に京都の夏の終わりを告げる行事として定着してい
 た五山の送り火ですが、不思議なことにこれほどよく知られた行事なのに、
 その起源はというと、定かにはわかっていません。

 弘法大師の護摩行が伝わったとする説、足利義政が息子の義尚の冥福を祈る
 ために行ったとする説などがありますが、はっきりした資料がありません。
 また、それぞれの文字が描かれる(焚かれる)ようになった時期もまちまち
 であるようで、「妙法」と一組となっている文字ですら、同時に始まったも
 のではないと考えられています。

 京都観光協会のHPにある「点火の起源」の説明によると、最近では大文字山
 が銀閣寺の寺領であったという記録や他にも新発見の資料が見つかってきて、
 地元では足利義政起源説が有力と考えられているそうです。
 (※「点火の起源」 http://www.kyokanko.or.jp/okuribi/kigen.html)

◇点火の時間と順番
 五山の送り火の点火は今夜の午後8時からですが、一斉に点火されるわけで
 は無く、少しずつ時間をずらせて火がつけられます。
 以前は、それぞれの山でまちまちに火が焚かれていたそうですが、昭和38年
 (1963年)からは

  大文字(8:00)→ 妙法(8:10)→ 舟形・左大文字(8:15)→ 鳥居形(8:20)

 の順で点火されるようになりました(観光業界からの要請だったとか。書い
 てしまうと味気ない)。
 とここまで書いて、一応確認と今年の点火の時間を確認したところ、違って
 いました。今年(2014年)からは

  大文字(8:00)→ 妙法(8:05)
   → 舟形(8:10)→ 左大文字(8:15)→ 鳥居形(8:20)

 と5分ごとに点火されるようにかわるのだそうです。51年ぶりの変更です。
 もしかしたら・・・と思って確認してよかった。なぜ変更になったのかまで
 は調べ切れませんでしたが、これも多分観光業界からの働きかけかな?
 5分おきに順に点火される初めての五山の送り火。天気に恵まれて、見事な
 眺めになることを祈ります。

◇盆明けのラッシュ
 お盆で故郷に帰っていた方々のUターンのラッシュは今日がピークとのこと。
 五山の送り火や、それぞれの家庭で焚かれる送り火の煙にのって浄土へ帰る
 先祖様達も今日がそのラッシュのピーク。
 盆明けはこの世もあの世も、混雑必至ですね。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2014/08/16 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック