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■七十二候と日付(2014)
 秋分の日が近づき、「涼しくなってきましたね」は当たり前で、時には肌寒
 い朝を迎えることのある季節になりました。

 「秋分」は二十四節気の一つで、太陽が一年かけて天球を巡る道筋である、
 黄道一周の 360°を15°ずつに24分割し、太陽がそれぞれの区画を通過する
 期間を二十四節気の「一気」とします。また、それぞれの区画に入る日(節
 入り日)を指して「今日は二十四節気の○○です」といった使い方をするこ
 ともあります。

 ※※(ちょっと説明)※※
 この「今日は二十四節気○○です」は、間違いではないのですが、こうした
 使い方ばかりを耳にするせいか、二十四節気とはその日だけと思い込んでい
 る方が案外多いのですが、これは誤りです。既に書いたとおり、「一気」の
 期間、大体15日間はその二十四節気の内です。

◇七十二候と二十四節気
 一年を24の期間に分割したのが二十四節気ですが、細分化を始めると、もっ
 と細かく分けたくなるもの。そうして生まれたのが七十二候です。

 これを書いている2014/09/20は二十四節気では「白露」の期間( 9/8〜22)。
 そして間もなく「秋分」の期間(9/23〜10/7)に入りますので、この二つの
 二十四節気の期間の七十二候を見てみましょう。

 ○「白露」の期間の七十二候
  ・草露白し (初候 9/08〜12)
  ・鶺鴒鳴く (次候 9/13〜17)
  ・玄鳥去る (末候 9/18〜22)

 ○「秋分」の期間の七十二候
  ・雷乃ち声を収む (初候 9/23〜27)
  ・虫かくれて戸をふさぐ (次候 9/28〜10/2)
  ・水始めて涸る (末候 10/3〜7)

 七十二候は二十四節気の一気を 3分割したものなので、かならず二十四節気
 の中に 3つの「候」がありますから、それぞれの候を、

  二十四節気の初候、次候、末候

 とも表現します。

 二十四節気については、このコーナーでも何度も採り上げておりますので、
 本日は七十二候の方を採り上げてみたいと思います。七十二候もその一つ一
 つについては断片的に幾度か採り上げてきてはいるのですが、本日は個別の
 話ではなくて、日付の求め方についての話です。

 二十四節気は一年を24に分割したものです。どのように一年を分割するかに
 よって二十四節気には二つの方式が有ります。

 一つは、一年の長さ(日数)を24等分する方式。この方式を「恒気法」と云
 います。もう一つの方法は、黄道の 360°の角度を15°ずつ24等分し、その
 等分点を太陽が通過する日で区切る方式で「定気法」と云います。

 現在使用されている二十四節気は江戸時代の終わり頃につくられた天保暦が
 採用した角度による分割法、「定気法」を踏襲して計算されています。

 七十二候は更にこの二十四節気の一つ一つを 3つに分割したものです。
 二十四節気を 3分割したものが七十二候ですから、七十二候の「候」の期間
 が二十四節気の「気」の期間を跨ぐことは有りません。そして二十四節気の
 長さがほぼ15日なので、七十二候の一つの候の長さはほぼ 5日となります。

 七十二候は季節の移り変わり、その時期に見られる気象現象や動植物の成長
 ・行動などを表す言葉で示したものです。ただ七十二候の一候が 5日程度と
 短いですので、狭いようでも結構広い日本の南から北までの全ての地域の気
 候を的確に表現するというのは無理が有ります。

 また気候の変動はその年のお天気の具合によっても変化しますので、一つの
 地域でも年によっては現実とはそぐわないことも多く、あくまでも「目安」
 です。

◇七十二候の日付
 二十四節気の日付の計算は、スタンダードなものが有るのですが、七十二候
 の計算にはこれという決まりが有りません。単純に考えれば七十二候の一つ
 の候の長さは大体 5日で、その初候は二十四節気の節入りの日と同じ日とな
 りますから後は 5日毎に日を割り振ればよさそうです。

 大体はこの「単純」な方式で問題ないのですが、困ったことに二十四節気の
 一つ一つの期間は必ずしも15日では無いので、七十二候の長さも必ず 5日に
 はなりません。時々 5日ではなくて、 6日などになることが有ります(ごく
 希に 4日になってしまうこともあります)。

 初候から単純に 5日毎に区切り、過不足が出た場合は末候の長さで調整すれ
 ばよいという考え方もあり、どうやらこの簡便な方法が普及しているような
 のですが、「こよみのページのかわうそ」としては、ちょっと気になること
 が有ります。

 七十二候の元になる二十四節気が黄道を角度で24等分した「定気法」によっ
 て求められたものであるのに、その二十四節気を分割するのに日数による分
 割(一種の恒気法)によるのは平仄が合わないというのがその、「気になる
 点」です。

 これが気になるので、こよみのページでは少々面倒ですが七十二候の日付を
 二十四節気の計算方式と同じく角度による分割法、定気法によって計算する
 ことにしています。そのため、末候以外にも 5日間以外の日数の七十二候が
 現れることがあります。今年の立春から次の立春までの期間で、日数が 5日
 間以外となる七十二候を調べると

  ・立夏の初候(蛙始めて鳴く) 5/05〜5/10 ・・・ 6日間
  ・小満の末候(麦秋至る)   5/31〜6/05 ・・・ 6日間
  ・夏至の初候(乃東枯る)   6/21〜6/26 ・・・ 6日間
  ・小暑の次候(蓮始めて開く) 7/12〜7/17 ・・・ 6日間
  ・立秋の初候(涼風至る)   8/07〜8/12 ・・・ 6日間
  ・処暑の末候(禾乃ちみのる) 9/02〜9/07 ・・・ 6日間
  ・小寒の初候(芹乃ち栄う)  1/06〜1/09 ・・・ 4日間(2015年)

 以上の、 7候ありますが、末候以外にも 5日以外の候があることが分かりま
 す。

  「あれ、ここだけ 5日じゃない。間違ってる」

 ってことでは無いのです。
 ただこの計算方式をみんなが使っているかというと、さて?
 この辺りは、こよみのページの拘りでございました。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2014/09/20 号

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