こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■木枯らしと枯野見の季節
 11月に入り、「そろそろ冬がやって来るな」と思っていたら、あっという間
 に11月ももうすぐおわりという時期になっていました。
 11月の始めには、各地から初霜のニュースが伝えられていましたが、あれか
 ら1ヶ月が過ぎて、伝えられるニュースの内容は初霜から初雪へと変わって
 いました。「冬がやって来る」なじゃなくて「冬がやって来た」ようです。

◇朔風葉を払う(きたかぜ このはをはらう)
 今年(2015年)の11/27〜12/01は、七十二候「朔風葉を払う」の期間です。
 普通に読めば「さくふう はをはらう」なのでしょうが、意訳して、

  「きたかぜ このはをはらう (北風 木の葉を払う)」

 と読み仮名をふることも多いです。個人的には「さくふう はをはらう」の
 ほうが好きなのですけれど。

 朔風と書いても北風と書いても、言わんとすることは同じ。木枯らしが木々
 の葉を吹き払う季節だと言うことです。
 現在の私の職場からは西の方角に富士山がよく見えるのですが、昨日の富士
 山には、遠く離れてもそれとわかるほどの雪煙が斜面からたなびいていまし
 た。

 平地ではそれ程の風ではなかったのですが、孤立峰である富士山には想像も
 出来ないような風が吹き付けていたようです。

 あんな風が吹いたら、木々の枝に残った枯葉など、ひとたまりもなく吹き払
 われてしまいそうです。「紅葉狩りはまだ」という方は急がないと、狩るべ
 き紅葉がなくなってしまいます。

 紅葉狩りの紅葉が朔風に吹き払われてしまったら、さてどうしましょう?
 大丈夫、紅葉狩り季節の後には、「枯野見」の季節が待っています。

◇枯野見(かれのみ)
 木枯らしに葉を吹き払われた後の寒々とした木々のたたずまいや、枯れ草の
 色一色に染まった草原、刈り取りが終わり刈り株と落ち穂と黒い土だけが残
 った田んぼの景色を眺めるのが「枯野見」です。

 小春日の中で、緑の葉が茂っていたときには気づかなかった、木々の幹の表
 情、枝の形、草原の間の踏み跡のような小道を見つけるのも、冬枯れの景色
 の上に、切れるような光を投げかける月が浮かぶ様子を眺めるのも、枯野見
 の楽しみです。

 これからますます寒さがつのれば、眺めるものは枯野から雪景色へと変わっ
 てしまいます。
 雪見もまたよいものでしょうが、そうなる前に、枯野の眺めも楽しんでみて
 はいかがでしょうか。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2015/11/28 号

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