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■元年の暦、カレンダー?
 ことの始まりは一通の読者(冬春夏秋さん)からのお便り。ということで、
 まずはそのお便りの抜粋から。

 ---------------- 冬春夏秋さんからのメール(抜粋) ------------------
 カレンダーや手帳もそろそろ店頭に並ぶにと思いますが、そこで疑問です。
 山の日は祝日法が改正されて周知期間があり問題なかったのでしょう。
 おそらく「天皇誕生日」が、印刷にとっての悩みどころだと思います。

 昭和→平成の時は、昭和64年版と平成元年版の2種類のカレンダー類が売
 ってたのでしょうか?
 当時の事ご存じでしたらお願いします。
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 頂いたお便りの主旨からすると、改元後の祝日の扱いについてのご質問です
 が、祝日については、また別の機会に取り上げるとして(おいしい話題を一
 度に使い切るのはもったいない)、本日は、「そもそも元年の暦、カレンダ
 ーはあるの?」という話を取り上げてみることにします。
 冬春夏秋さん、お便りの主旨から脱線しちゃってすみません。

◇言い訳からスタート
 「平成1年」なんて書くと細かな方には「平成元年」と訂正されてしまうこ
 とがあります。
 確かにそうですね、とは思いながらも元号表記などの多くをプログラムで自
 動的に変換する仕組みの多いこよみのページ(Web) では頭が痛いところです。
 
  2016年 ⇒ 平成 (2016 - 1989 + 1) 年 ⇒ 平成28年

 と言う具合に計算していますから、元年の場合はこの計算後に「年数が 1年
 の場合は、元年と修正する」といった、一手間かけなければならないからで
 す。

 それに、プログラムをなさる方ならご存じと思いますが、多くのプログラム
 言語では、数字と文字とでは扱いが違うことが多く、普通は数字の表示され
 る場所に、「元」なんていう「文字」を表示しないといけない場合は、さら
 にもう一手間かかったりしてなおさら面倒。

 そういうわけなのでこよみのページ(Web) では出来る限りは「元年」として
 いますが、「 1年」なんて表示のままの場合も有ります。発見した場合は、
 笑って許してください。

 とさんざん言い訳した後でようやく本題。
 毎年、年末になると新年に向けて沢山のカレンダーや暦、運勢暦などの類が
 発行されるようになります。今年も11月ごろともなれば

  「平成29年」 あるいは 「2017年」 の暦

 が店頭に並んでいます。先程さんざん言い訳した話の元の「元年」の話から
 すると、1988年の年末には、

  「平成元年」  あるいは 「1989年」 の暦

 が並んでいたはずですね。
 と、ちょっと待ってください。これって本当?
 1988年の年末の情景としては、これは明らかに間違いですね。現実はどうか
 と云えば

  「昭和64年」 あるいは 「1989年」 の暦

 が店頭に並んでいたはずです。なぜなら1989年は1月7日までは昭和64年だっ
 たからです。平成への改元は1月8日。年末の段階では翌年に改元があるかど
 うかは判りませんし、改元後の元号も不明ですから「平成元年」の暦が作れ
 るはずはないわけです。

 平成への改元は、その時期が 1月の始めごろということもあり、改元後に改
 めて、「平成元年のカレンダー」や「平成元年の手帳」が作られた可能性は
 大いにありますが、事前に作ったというわけではない、特例的なカレンダー
 あるいは手帳ということになるでしょう。
 基本的にはやはり、「元年の暦」というのは作れないのです。

 因みに、平成の場合はその改元が1月8日という年の早い時期に行われました
 から、平成 2年の暦はきちんと作られましたが昭和の改元の際には更に大変。
 改元が12月25日で、昭和元年はわずかに 6日しかなく、すぐに昭和 2年とな
 ってしまいましたから、大正は16年までの暦があって、昭和は 2年までの暦
 が無いと言うことになります。

 昨今は更に2年後3年後の日付の入った手帳などもあり、そうなるとこの改元
 の問題はやっかいなものになります。それだからでしょうか、近頃は元号を
 入れない西暦のみのカレンダーや手帳が増えてきている気がします。

◇でも、もしかしたら
 でもこうした事情が少し変わるかもしれません。
 それは、今上天皇陛下が示された生前退位との関係。
 もちろん、現在の法律では生前退位ということはできないでしょうから、こ
 れが現実のものとなるためには、いくつもの法律の改正が必要となるので、
 今すぐにどうこうという問題ではないと思いますが、そうした法整備が進め
 ば、もしかしたら「元年の暦」が出来るかも。

 もし退位と新天皇陛下の即位の時期を事前に決定できるとしたら、事前に元
 年の暦を作ることも可能となるわけです。
 もしかしたら、もしかして、本当に「元年の暦」を見ることのできる日が来
 るかもしれません。

◇最後はお願い
 冬春夏秋さんのお便りに、

  「当時(平成元年)の事ご存じでしたらお願いします」

 とありましたのでこれについての情報提供のお願いです。
 日刊☆こよみのページの読者の皆さんの中には、カレンダー・手帳業界関係
 者の方もいらっしゃることと思います(ほらほら、隠れても無駄ですよ、○
 ○さん・・・)。こうした方々なら、私などよりはるかによく、「当時の状
 況」についてご存じのはずですので、教えてください。

 平成改元後に本当に平成元年のカレンダーや手帳って、作られましたか?
 作られたとしたらどれくらい作られたのでしょうか?
 この件について何か情報があれば、教えていただけるとありがたい。
 ぜひ、情報提供をお願いします。

  情報提供先は Email magazine.std@koyomi.vis.ne.jp まで

 よろしくお願いします!

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2016/08/19 号

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