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■うるう秒(閏秒)2016/12/31
 元日の朝にニュースにもなった、閏秒挿入について、暦のこぼれ話でも採り
 上げてというメールをいただきましたので、本日は「うるう秒の話」とさせ
 ていただきます。
(※私の打ちやすさと文字数削減のためこの記事では「うるう秒」を「閏秒」
 と漢字表記させていただきます。あらかじめお断りしておきます)

 2017/01/01の08:59:59と09:00:00の間に、08:59:60という形で1秒の閏秒が
 挿入されました(日時時刻は全て日本時。世界時では2016/12/31の最後に挿
 入されたことになります)。

◇閏日、閏秒
  「閏年には、閏秒が入るんですか?」

 と以前質問されたことがありますが、閏年と閏秒とは関係ありません。
 もちろん皆さんはご存じとは思いますけれど、万が一に備えて(?)一応書
 いておきましょう。

 ほぼ4年に1度、普通の年にはない2/29という日付が暦の上に登場します。
 こうした暦法上現れる臨時の日を「閏日」と呼びます。
 現在の暦では臨時に現れるのは、2/29という「一日」なので閏日と云うので
 すが、太陰太陽暦であった旧暦時代ですと閏として挿入されるのは一月単位
 でしたので、この場合は、閏日ではなく閏月(うるうづき)と云いました。

 では、本日の話題である「閏秒」とは?
 閏秒は地球自転の速度変動によって一日の長さが現在の定義上の一日の長さ
 より長く、あるいは短くなってきて、その長さの差の累積が 1秒に近くなっ
 た場合に挿入または除去される「1秒」のことです。

 閏日は現在の暦法上から考えると「臨時に1日を追加」する方向だけですが、
 閏秒に関しては挿入されるばかりではなく、除去されることもあります(と
 いいながら、閏秒の制度が出来て以来除去された例はありません)。

 どちらも、追加挿入(あるいは除去)される「日」や「秒」そのものを指し
 て「閏日」「閏秒」といいます。

◇ついでに閏年
 話のついでに、閏年の話もしておきましょう。
 閏年とは何かといえば、

  閏年 : 閏日(または閏月)があった年

 という意味です。
 元々暦法上の閏日や閏月(太陰太陽暦に見られるもの)とは暦法上の一年の
 長さを、実際の天体の動きの周期における「一年」に近づけるために調整用
 に設けられたものです。

  臨時の暦の調整が為された年 = 閏年

 であって、暦法上の臨時の調整が一日でも、一月でもよいのです。
 そうした、暦法上定まった規定に基づいて閏日なり閏月なりが入って一年の
 長さの調整がなされた年を閏年といいます。

◇閏日と閏秒の違い
 閏日も閏秒もどちらも一年の長さの調整に用いられるものですが両者には違
 いがあります。それは、

  閏日は、暦の仕組み(暦法)に最初から組み入れられていたもの
  閏秒は後からずれに気が付いて仕方なく取り入れたもの

 ということです。どう違うかというと、現在の暦では一年は365.2422日と考
 えられていますが、0.2422日という一日より短い端数があることは最初から
 わかっていて、これを端数を使わない「一日単位」の調整で何とか表現しよ
 うと考えた結果

  暦を使い始めた最初から何年かに一度入れることが決められていた日

 です。想定済み、織り込み済みの「閏」なのです。
 ところが「閏秒」はそうではなく、一年は365.2422日と云うとき、変わらな
 い長さと思って単位に使った「一日」の長さが、実は変化するのだと後から
 判ったため、仕方なく後追いで作った仕組みです。

 一日の長さが変化するその変化量については今もって正確に理論的に予測す
 ることが出来ないので、閏秒に関しては閏日のようにずっと先までその挿入
 の予定を決めることが出来ません。

  実際に一日の長さの変化を測ってみるまでわからない

 というのが閏秒です。
 閏日は、2012年にも2016年にも入ることがわかりますが、先々の閏秒がいつ
 挿入(あるいは除去)されるのかはまだわかりません。

◇次の閏秒の挿入
 現在、「国際地球回転・基準系事業(IERS:International Earth Rotation 
 and Reference Systems Service) という、地球の回転の様子(だけじゃな
 いですけど)を各種の観測データから、監視している国際機関があり、そこ
 が、「地球の自転が遅れてきて(あるいは、早くなってきて)、閏秒で調整
 する必要があるな」と判断すると、閏秒の挿入(または削除)について
 Bulletin-Cという報告で、閏秒決定を知らせます。

 今回のBulletin-Cは以下のようなものです
 (ftp://hpiers.obspm.fr/iers/bul/bulc/bulletinc.dat より抜粋引用)

A positive leap second will be introduced at the end of December 2016.
The sequence of dates of the UTC second markers will be:		

    2016 December 31, 23h 59m 59s
    2016 December 31, 23h 59m 60s
    2017 January   1,  0h  0m  0s
 (引用ここまで)

 内容は、
 『正の閏秒が2016年12月の終わりに入ります。
  秒の刻みは次のようになります。

  2016年12月31日 23時59分59秒
  2016年12月31日 23時59分60秒
  2017年 1月 1日  0時 0分 0秒』

 といったものです。
 普段は23時59分59秒の後は 0時 0分 0秒ですが、間に23時59分60秒という、
 余分な一秒が 1/1の直前に入って調整が行われるのです(世界時で)。
 2016/12/31は、いつもより1秒長い1日を過ごすことになったわけです。

 以上、最近挿入された「うるう秒(閏秒)」についての暦のこぼれ話でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2017/01/04 号

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