こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■日付は違うが同じ日の復活祭(2017)
 今日4/16はキリスト教における最重要祝日、復活祭、イースターです。
 今日の記念日データには

  ◇復活祭(西方教会)
   キリストの復活を祝うキリスト教の最重要祝日。
  ◇復活祭(東方正教会)
   キリストの復活を祝うキリスト教の最重要祝日。

 と西方教会系、東方正教会系両方の復活祭が並んでいます。
 復活祭の宗教的な意味については、教会のミサできちんと知って頂くとして、
 こよみのページでは、暦の上から見た復活祭の話を拾い出してみようと思い
 ます。

◇復活祭は移動する
 復活祭は移動する祝祭日です。
 現在の日本の祝日にも日付の移動するものがあります。
 例えば成人の日。これは一月の第二月曜日という具合なので、移動祝日と云
 いながらもその日付を知ることはそんなに難しいことではありません。

 復活祭の日付の変化はというと、こんな単純なものじゃないので、「来年の
 復活祭はいつ?」といわれても、簡単にはわかりません。

 日本の移動する祝日の中にも成人の日のようなものより面倒くさい計算のい
 るものがあります。それは、春分の日と秋分の日。
 これは厳密は、太陽の位置を推測しないといけないので天文計算をしなくて
 はいけませんから、結構面倒です(現実には、数百年レベルであれば比較的
 簡単にその日付を求める式がありますけれど)。

 復活祭と日本の春分の日という、ちょっと面倒くさい二つの祝祭の日ですが、
 実はこの二つには関わりがありました。

◇復活祭と春分の日の関わり
 復活祭の日付の求め方を簡単(?)に説明するなら

  春分の日以降の満月の次の日曜日

 という具合になります。なんだ、面倒だといってもその程度か・・・と簡単
 に云ってしまえるほど簡単では無いですね。
 つまり復活祭の日付を求めるためにはまず春分の日を知る必要があるのです。

 復活祭の日を知るには春分の日を求めなければいけなくて、春分の日を求め
 るにはまた面倒な計算をしなくちゃいけない。二重に面倒じゃないですか。
 気が重くなりそうですが、実は復活祭計算のために春分の日を求めるのは全
 然難しく無いのでした。なぜなら

  復活祭の計算で用いる春分の日は3/21である

 からなのです。復活祭の計算における春分の日は年毎に移動するようなこと
 は無いのでした。
 なぜ復活祭の日の計算に用いられる春分の日が3/21に固定されているのかと
 いうと、これにはキリスト教が世界宗教となったことと関わりがあります。

 日本の春分の日は「地球中心から見た太陽の中心が黄道上で春分点を通過す
 る瞬間を含む天文学的な春分日」に一致するように決められているのですが
 時差があると春分日は異なる日付になってしまうことがあります。この定義
 で計算すると今年、2017年の春分日は3/21になります。

 もちろん日本の祝日としての春分の日を決定するのに用いられる「春分日」
 は、日本時によって計算される日付です。ですから、日本と時差のある国の
 春分日をこの定義で計算したときに、その国の時刻では 3/21とはならず、
 3/20などの異なる日付になる場合があります。

 世界宗教となったキリスト教にとって、復活祭の計算の起点となる春分の日
 が、時差によって異なるようなことがあると、国によってある年の復活祭の
 日付が全然違うものになる可能性があります。これじゃまずいので、本当の
 春分日とは関係なく、何処の国でも3/21に固定して使うことにしたのでした。
 世界中で同じ日にキリストの復活を祝うための工夫(?)でした。

◇それなのに・・・二つの復活祭の日付
 折角世界中で同じ日にキリストの復活を祝おうと春分の日を固定したという
 のに、現実の世界はそんな風に上手くはいきませんでした。
 現在の復活祭の日付には大きく二つの系統が存在します。一つはカソリック
 などに代表される西方教会系の日付。もう一つはギリシャ正教などに代表さ
 れる東方正教会系の日付。
 例えば今年(2017年)に日付を比較すると

  西方教会系 ・・・ 2017/04/16
  東方教会系 ・・・ 2017/04/03

 随分と違いますね。
 こんなに日付が違っている理由の一つは、復活祭の日取りを計算するのに用
 いられる暦の違い。西方教会系では1582年(の途中から)以来、グレゴリオ
 暦の日付が使われています。それに対して、東方正教会はクレオパトラの時
 代にまでにまで遡るユリウス暦の日付を使い続けています。

 二つの暦は現在では日付の間に13日のずれがあります。それなのに復活祭の
 計算の起点となる春分の日はそんなずれにかかわらずどちらの暦でも3/21と
 いう日付が使われます。
 そしてこれに「満月の日」と「日曜日」との関係が加わって、全然違った復
 活祭の日付が出来てしまいました。

◇日付は違っても同じ日?
 既に書いたとおり今年の復活祭の日付は西方教会系と東方正教会系では異な
 る日付になっています。
 ところがです、どちらの系統でも今日は復活祭です。

 今まで「違う日付」いっておきながら、急にどちらでも今日は復活祭の日だ
 なんて、無茶苦茶いうなといわれそうですが、無茶苦茶ではありません。

 今日の2017/04/16という日付は今日をグレゴリオ暦で表した日付。これをユ
 リウス暦に変換すると、2017/04/03となります。
 というわけで、今日はどちらの暦の日付でも復活祭の日になるのです。

 なーんだ、結局はどちらの系統でも復活祭の日は同じなのかと誤解されると
 いけませんので書いておきますが、こんな風に両系統で日付は違えど同じ日
 が復活祭になる確率は大体 1/4程度。毎年こうなるわけではありません。

 次に両系統の復活祭が同日になるのは2025/04/20(ユリウス暦の日付では、
 2014/04/07)です。次回はちょっと先の話となりそうです。
 本日は、日付は違うけれど同じ日になる今年の復活祭の日の話でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2017/04/16 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック