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■今日から二度目の五月
 今日、2017/06/24は旧暦では閏(うるう)五月の始まりの日です。
 新暦では「閏」といっても余分な日は2/29の 1日だけですが、旧暦では丸々
 一月が「閏」となる場合があり、今日からその丸々一月の閏の月に入りまし
 た。新暦では、

  一月の次は二月、二月の次は三月・・・

 何て言うことは自明の話で、わざわざ説明するまでもないことですが、旧暦
 の場合、「一月の次は二月、二月の次は三月・・・」とはならないことがあ
 ります。そうならない例が、例えば今日です。

 旧暦の暦月は天体の月(お月様のこと)が新月となった日から始まり、次の
 新月の日の前日までの期間です。
 前回の新月は2017/05/26で、今日(2017/06/24)がまた新月。
 前回の新月の 05/26から始まった旧暦月は、

  旧暦五月

 でした。そして今日がまた新月ですから旧暦の暦月は変わって、今日から旧
 暦六月となるはずなのですが・・・。残念ながらそうはなりません。

◇季節の動きと暦
 月の満ち欠けによって暦月を区切り、その暦月12ヶ月で暦年を区切るという
 ことを基本としていた旧暦は、季節の巡りを表す暦としては欠点の大きな暦
 でした。なぜなら、四季の巡りについて最も大きな影響を持つ太陽の巡りの
 周期(太陽から見れば、地球が太陽の周りを公転する周期)である、一年を
 を正しく表せないからです。

 月の満ち欠けの周期による月で12ヶ月を数えるとその日数はおよそ 354日程
 となって、太陽の巡りである一年の日数より約11〜12日少ない日数となりま
 す。こうした暦を数年も使い続けると、当初は夏だったはずの月が春に来て
 しまい、さらに使い続けると冬になり、秋になり・・・という具合に変わっ
 ていってしまうことになります。

 これでは、暦を作って季節の動きを知り、狩猟や農耕に役立てようと言って
 もうまくいきません。そこで考え出されたのが、季節の動きを月の満ち欠け
 から間接的に知るのではなくて、直接太陽の動きから読み取ろうという二十
 四節気でした。

◇旧暦の月名と二十四節気の中気
 二十四節気は月の満ち欠けとは関係なく、太陽の動きから決められます。
 二十四節気の作り方は、太陽の動く周期を日数的に均等に分ける恒気法(こ
 うきほう)と、太陽の動く道筋に沿って角度で均等に分ける定気法(じょう
 きほう)という異なった方式があります。
 現在はもっぱら後者の、角度で分ける定気法が使われています。

 二十四節気は文字通り24の節気ですが、一つ飛ばしで数えれば12となり、一
 年十二ヶ月の12と同じになります。そこで、この一つ飛ばしに拾い出したも
 のを月の満ち欠けによる一月と関連づけることを昔の誰かが思いつきました。

 例えば一年で一番昼間の時間が長くなる「夏至」は、二十四節気の一つであ
 って夏至以外に「五月中気」とも呼ばれます。中気とは、二十四節気を一つ
 飛ばしに数えた12のもので正月中気〜十二月中気まであります(ちなみに残
 りの12は、「節気」と呼ばれます)。

 月の満ち欠けで暦月を区切る方式は既に説明したとおり、太陽の動きやそれ
 から生まれる季節の動きと連動せず、少しずつずれていってしまいます。で
 すから、月の満ち欠けで区切られた暦月の数を数えるのではなくて、太陽の
 動きにあわせて作られたこの二十四節気の中気にあわせて「暦月の名前」を
 決めてしまえば、暦月と季節の関係は大きくは変わりません(ずれが最大で
 も一月を超えない)。夏だったはずの暦月が、春になり、冬になりというこ
 とが起きなくなるわけです。

 この様なわけで、旧暦は暦月の区切り自体は月の満ち欠けによって決めます
 が、その月が何月になるかは、その暦月が含む二十四節気の中気で決まると
 いう、少々ややこしい仕組みとなっています。

◇そしてやっと閏月
 今年の五月中気、夏至は新暦の6/21でした。
 そして本日、6/24は新月で新しい暦月になりますが、夏至は過ぎてしまって
 いますから、今日の新月から始まる旧暦月は「五月」ではありません。
 では次の中気である六月中気、大暑はいつかと見るとこれは7/23。

 では、今日から始まる旧暦月は六月かと思ったら困ったことに、次の新月は
 六月中気である大暑の日と同じ7/23で、この日から来月となります。

  夏至(6/21)を含めば「五月」
  大暑(7/23)を含めば「六月」
  今月は6/24〜7/22なので、五月でも六月でもない月

 という名無しのごんべのような月となってしまいます。
 こうした名無しのごんべの月が生まれたときには、これを臨時の月、余分な
 月として、前の月の名前に「閏」の文字をつけて呼ぶことになります。
 よって今日から始まる旧暦月は「閏五月」。

 旧暦では普通の年の日数は353〜355日ですが、こうした閏月が出来る年は、
 その分日数が増えて、383〜385日となってしまいます。ちなみに今年の場合
 は 384日です。

◇余談・最近の旧暦の閏年
 旧暦の閏年の出現には、ある程度の周期性があります。
 よく知られたものは、メトン周期の19年。しかし、19年以外にも、3,5,8,11
 など、3と5の組み合わせで出来る年数に周期らしきものが見えます。
 ここしばらくの閏年(と閏月と1年の日数)を調べて見るとこんな具合にな
 ります。

  1990年  5月(小)384日
  1993年  3月(小)383日
  1995年  8月(小)384日
  1998年  5月(小)384日
  2001年  4月(小)384日
  2004年  2月(小)384日
  2006年  7月(小)385日
  2009年  5月(小)384日
  2012年  3月(大)384日
  2014年  9月(小)384日
  2017年  5月(小)384日
  2020年  4月(小)384日
  2023年  2月(小)384日
  2025年  6月(小)384日
  2028年  5月(小)383日
  2031年  3月(小)384日
  2033年 11月(小)384日
  2036年  6月(大)384日
  2039年  5月(小)384日

 ()の中の大小は、その閏月が大の月になるのか小の月になるのかを表して
 います。
 今年と同じに5月が閏月になるのは、8年前の2009年、11年後の2028年。メト
 ン周期の19年でみると19年前の1998年は今年と同じく閏 5月のあるよく似た
 年でした。では19年後の2036年はと見ると、閏年ではありますが残念ながら
 閏月は今年とはちょっとずれて 6月に出現します。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2017/06/24 号

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