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■二八月荒れ右衛門(2017)
 今日から、旧暦では八月。
 今年は閏五月があったので、遅めの八月。
 やっと八月かといった感じです。
 やっと、八月(旧暦の)がやってきたので、本日は八月にまつわる話です。

  『二八月荒れ右衛門』

 という言葉があります。これで「ニハチガツ アレエモン」と読みます。
 旧暦の二月、八月は嵐が多いということを表した諺です。

◇旧暦八月は嵐の月
 現在も暦に残る「二百十日」や「二百二十日」といった嵐に注意を向けるた
 めの雑節は旧暦の八月頃に集中しています。現在で言えば九月頃と言うこと
 になります。二百十日、二百二十日と並んで嵐の要注意日とされたものに、
 もう一つ、「八朔(はっさく)」というものがありまして、この三つをまと
 めて、三大厄日なんて言うことがあります。

 この八朔とは、旧暦の「八月朔日」の略で、つまり本日のことです。
 三大厄日の頃になると、台風が日本に接近、上陸することが多くなります。
 既に書いた通り今年は閏月が入っているために遅めにやってきた八月なので
 今年は八朔が三大厄日の最後を締めくくるものとなりました。
 ちなみに今年(2017)の三大厄日の新暦での日付けは、

  9/01 二百十日
  9/11 二百二十日
  9/20 八朔

 となりました。
 今年は八朔が遅い時期でしたが、そういえば先週末に台風が日本を縦断する
 ように通過したばかり、嵐に注意する日としては、当たらずといえども遠か
 らずで、暦の上の役割は果たしているようですね。

 さて、この時期に嵐が多くて大変だと言うことは、広く言い伝えられていた
 のでしょう、ことわざ辞典の類を引くとこれに似た諺が見つかります。例を
 あげれば次のようなものです。

  ・二八月に思う子船に乗するな
  ・二八月は船頭のあぐみ時
  ・二八月は風の秋
  ・二八月の風で傍(そば)が迷惑
  ・二八月の掌(てのひら)返し

 先の二つは海がしけるので船に乗るのは危険だということを表している言葉
 で、後の三つはこの時期の風について言い表している言葉です。

 少々ひねりのあるのは最後にあげた二つ。
 「二八月の掌返し」は、この時期の風向きが目まぐるしく変化する様子を掌
 を返すという表現で表しています。「二八月の風で傍が迷惑」は傍(そば)
 と蕎麦(そば)を掛けて、この時期の嵐で作物の蕎麦が被害を受けるという
 ことを「傍迷惑(はためいわく)」と解いたもののようです。
 最後は「傍迷惑」でしめているあたり、嵐は嫌だが自然の中で生きている限
 りこれもまた仕方がないものだと受け入れているような気がします。

 ちなみに、八月とペアで語られている二月の嵐は台風ではなくて強い温帯低
 気圧の通過によって生まれるものです。「春一番」の強風による嵐などがこ
 れにあたります。

 三大厄日は今日で終わりますが、「二八月荒れ右衛門」の一方である八月は
 始まったばかり。
 あまり、荒れない八月であってほしいものですね。

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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2017/09/20 号

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