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■春分の日・秋分の日の日付は誰が決めているの?
 一日過ぎちゃいましたが、昨日は「秋分の日」でした。
 これと関係してか、

  「春分の日」「秋分の日」は誰が決めているのか?

 という質問を頂きました。
 現在の祝日の日付は「国民の祝日に関する法律」(略して「祝日法」)に書
 かれています。例えばこんな具合に。

  元日 一月一日

 これが基本的な書き方。
 日付そのものは書かれていませんが、曜日を追いかければわかるというこん
 な書き方のものもあります。

  成人の日 一月の第二月曜日

 いわゆるハッピーマンデー法によって生まれた移動祝日で、現時点では

  成人の日 海の日 敬老の日 体育の日

 の4つの祝日がこのタイプです。
 また、祝日法自体には日付がかかれていないけど、日付が決まっているもの
 があります。

  建国記念の日 政令で定める日

 がこれです。ご覧の通り、「政令で定める日」となっているのですが、その
 政令(「建国記念の日となる日を定める政令」)に

  国民の祝日に関する法律第二条 に規定する建国記念の日は、
  二月十一日とする。

 と日付が書かれているので、日付がわからないと云うことはありません。
 ですが、法律には日付が書かれていない祝日があります。
 それが 「春分の日」「秋分の日」です。
 祝日法にはどんな風に書かれているのかというと、こうです。

  春分の日 春分日
  秋分の日 秋分日

 なんだ書いてあるじゃないか。で、春分日、秋分日っていつなの?

◇春分日、秋分日とは
 「『春分日』を『春分の日』とする」なんて説明すると、

  馬鹿にしてるのか

 と怒られそうなのですが、そんなつもりは毛頭ありません。
 「春分日」「秋分日」とは、太陽の中心が春分点(秋分点)と呼ばれる天の
 赤道と黄道の交点を通過する瞬間を含む日と定義されます。立派に天文学的
 な意味のある日です。

 現在の暦は太陽の動きに従ってその仕組みが作られたものですので春分日も
 秋分日も毎年大体同じ日になるのですが、たまに違うことがあります。

  来年の春分日(秋分日)は、いつか?

 は太陽の位置を推算して決めなければならないのです。

◇春分日、秋分日は誰がきめるのか?
 春分の日、秋分の日の日付は、その前年の2月最初の官報に公示されて正式
 に決まります。官報に公示される祝日他暦に関係する情報を「暦要項」とい
 いますが、これを決めるのは誰か?

 現在これを決めているのは、国立天文台と云えます。暦要項は国立天文台が
 作る暦象年表の内容に従っています。
 ということで、春分日、秋分日、ひいてはこの日にあたる祝日、春分の日、
 秋分の日の日付は国立天文台が決めているということが出来ます(最終的に
 は閣議にかけられて、決定される)。
 国立天文台がこうした仕事を行う根拠は、国立学校設置法(昭和二十四年五
 月三十一日法第百五十号)第四条第一項の

  ・・・天象観測並びに暦書編製、中央標準時の決定及び現示並びに・・・

 でいう暦書編製だとされています。

◇春分の日、秋分の日のご先祖様の祭日
 現在の祝日法は昭和23年から施行されていますが、それ以前にも春分の日、
 秋分の日の場所は祭日でした。その祭日の名は、

  「春季皇靈祭」「秋季皇靈祭」

 です。「休日ニ關スル件」という明治憲法下の法律で定められていました。
 この法律の明治11年改正で

  春季皇靈祭 春分日
  秋季皇靈祭 秋分日

 の条文が書き加えられて、祝祭日の仲間入りをしました。ご覧の通り、この
 ときから日付は春分日、秋分日となっていました。

 ちなみに現在の祝日法には「祝日」しかありませんが「休日ニ關スル件」に
 は祝日と祭日の区別があり、上記2つは祭日の扱いでした。

◇おまけ
 ついでに書くと、この時代でも誰かが春分日、秋分日から二つの祭日を決め
 ていたはずです。誰がそれをしていたのかですが明治時代(特にその初期)
 はいろいろな役所の間でその所管する事項が変更になっていたので、なかな
 か面倒です。暦の編製を所管している役所の変遷を改めて調べて見ると

  明治3年(2月) 大学天文暦道局
    〃 (8月)  〃星学局 (改名)
  明治4年(7月) 文部省天文局
  明治7年     文部省編書課
  明治9年(2月) 内務省図書寮
  明治10年     内務省地理局

 とめまぐるしく代わり、最後は内務省に落ち着きました。
 春季皇霊祭、秋季皇霊祭が祭日に仲間入りしたのは明治11年ですから、その
 日付は内務省地理局が決めていたと言うことになります。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2017/09/24 号

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