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■太子忌と貝寄せの風
 現在、 4月22日には四天王寺において「聖霊会舞楽大法要(しょうりょうえ
 ぶがくだいほうよう)」が行われています。これは四天王寺の開祖である聖
 徳太子の命日、太子忌(陰暦 2月22日)にその霊を鎮めるために行われる行
 事で、四天王寺ではこれを陽暦 4月22日に行っています。

 この日、四天王寺では重要無形民俗文化財に指定されている四天王寺舞楽が
 舞われます。この舞台の四隅には供養のための造花が飾られますが、この造
 花は元々は貝殻を使ったといわれています。

◇貝寄せの風
 太子忌の頃に吹く西風を「貝寄せの風」といいます。
 単に「貝寄せ」ともいいます。
 広辞苑には、

 【貝寄せの風】(かいよせの かぜ)
 (貝を浜辺に吹き寄せる風の意) 陰暦の2月20日頃に吹く西風。
  かいよせ。春の季語
   《広辞苑・第六版》

 貝寄せの風はこの精霊会(聖霊会)の飾りに使うための貝殻を太子に捧げる
 ために、竜神が吹かせる風だと言い伝えられていました。

 広辞苑の説明にもあるように、貝寄せの風は陰暦の 2月20日頃に吹く西風で
 す。貝殻を吹き寄せるほどの風ですから、かなり強い西風だと云うことが出
 来るでしょう。

 この強い西風が吹く時期について歳時記、季語辞典には「陽暦では 4月末頃」
 と書くものがあります。これは陰暦 2月20日を陽暦に直した日付のはずなの
 ですが、陰暦 2月20日は陽暦では 3月上旬〜 4月上旬頃のはずなので、陽暦
  4月末とするのは少々遅すぎる気がします。この歳時記の解釈は、四天王寺
 の精霊会の日取りを意識したものではないかと思います。

 陰暦 2月22日に行われていた精霊会に間に合わせるためには、少し前には貝
 殻を集めなければならないわけですから、貝寄せの風の吹く時期は精霊会の
 少し前、陰暦の 2月20日頃とされていたわけです。ちなみに今年、2018年の
 旧暦の 2月20日は、現在の暦では4月5日にあたります。

 これを書いているのは 4月21日。
 海の底でカレンダーに印された赤丸に気が付いた竜神様、昨日はきちんと西
 風を吹かせるてくれたかな?

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2018/04/21 号

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