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■みみず出ずる頃
 七十二候を見ていると、面白いものが転がっています。

  「みみず出ずる」

 もそうしたものの一つ。2019年では5/11 〜 5/15がその期間にあたります。
 この「みみず出ずる」は漢字で書くと「蚯蚓出」。
 そのまま「キュウインイズ」と読んでもいいのですがキュウインでは

  吸引?

 なんて誤解を生みそうですので、「蚯蚓 = みみず」ですから素直にみみ
 ず出ずるとしております。
 「みみず出ずる」は七十二候の20番目。二十四節気との組み合わせでいえば
 立夏の次候ということになります。

 ちなみに、二十四節気の一つの気の中に七十二候が3つあり、その最初を初
 候、次を次候、最後を末候と呼びます。「立夏の次候」というのはこの方式
 での呼び方です。

◇七十二候
 もともとの七十二候は他の多くの暦の要素同様に中国から伝来したものでし
 た。この点では二十四節気などと同じです。二十四節気と違っているところ
 があるとすれば、それは二十四節気が中国伝来の言葉が今もそのまま使われ
 続けているのに対して七十二候は大分日本風に改良(?)されていること。

 中国からの伝来当時の七十二候には、田圃のねずみがウズラに変わったり、
 草が蛍に変わったりと、なかなかすごいものもあって楽しいのですが、その
 まま使い続けるにはあまりに荒唐無稽なものは別の言葉に置き換えられてい
 ったようです。またそうした変更と同時に、日本の風物に合わせる置き換え
 も行われたと考えられます。

◇「みみず出ずる」は由緒正しい言葉?
 七十二候は変化してきていますとさんざん書いておいて今更申し訳ないので
 すが、本日の「蚯蚓出」はこうした日本的な修正の荒波を乗り越えて生き抜
 いた中国伝来そのものの七十二候の言葉です。

 中国から伝来した昔からずっと「蚯蚓出」。
 冒頭に書いたとおり、流石に「キュウインイズ」では意味が分からないので
 読みだけは「みみずいずる」としておりますが。

 近頃は大分暖かくなってきましたから、雨の降った日の翌日などには、畑や
 庭の土の中から這い出して来るみみずを目にすることでしょう。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2019/05/13 号

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