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■火星人来襲!
 本日、10/30は、「ニュースパニックデー 」
 今日の記念日にあるとおり、1938年の今日、放送されたラジオドラマによっ
 て、一部にパニックが引き起こされた日です。

 放送したラジオ局は米国 CBCラジオ。
 放送されたドラマは、「SFの父」とも呼ばれるイギリスの作家、H.G.ウェー
 ルズの「宇宙戦争」(原題は "The War of the Worlds")。

 この小説は、ある日、ロンドンの南西郊外に空から緑色の流れ星となって巨
 大な円筒形の物体が落下し、やがてその円筒形の物体から現れた火星人が、
 圧倒的科学技術力、火力によって地球の侵略を始めるというもの。原作では
 この事件に遭遇したイギリス人が、この火星人による侵略の顛末を回顧録と
 して記録したという形となっているものです。

 問題のラジオ放送では、この内容を放送される米国に置き換えるため、地名
 などを米国のものに置き換えたり、音楽を流している途中に、「放送の途中
 ですが、ここで臨時ニュースです」といった具合に、架空の報道の形態をと
 って、自然に物語をスタートさせるなどの演出が功を奏して、現実の話だと
 大勢の人が勘違いを起こし、警察に問い合わせ電話が殺到したのだとか。

 一応、放送のはじめと終わりには「このドラマはフィクションです」という
 断りが入ったそうですが、ま、今も昔も、一般の人は、そんなに注意深くラ
 ジオやテレビ放送(当時はラジオだけか)を視聴しちゃいないですから、聞
 き逃して気がつかない人が大勢いたのでしょうね。

 もちろん、みんながみんなパニックを起こしたわけじゃなくて、物語のデイ
 テールの不自然さや、他のラジオ局ではいつもの通りの放送が為されている
 ことなどから、現実の話ではないことに気がついていた方も大勢いたようで
 す。

 今は、こうした情報を発信するメディアは更に増えて、個人個人がSNS など
 を利用して、ほぼリアルタイムに情報を発信できるまでの時代になりました
 から、こんなパニックは起こらない・・・なんてことは無いかな?

 今でも様々なフェイク情報を信じてしまう人は多いですから。
 人間、進歩しているようで、そんなには進歩していないのかな。
 (フェイクニュースを作る技術については、格段に進歩していますがね)

 この騒ぎの元となった小説、「宇宙戦争」はSFの古典的な名作として映画化
 もされています。比較的最近だと、2005年にトム・クルーズ主演で映画にな
 りましたので、視聴なさった方も多いと思います(もちろん、大分現代風に
 なっていますけどね)。

 ちなみに、「宇宙人と云えばタコのような姿」の原型を作ったのが、ウェー
 ルズの、この小説でした。
 地球を侵略に来た火星人との戦いの結末はというと・・・ま、それは小説な
 り映画なりでお確かめください。

 最後に、みなさん、くれぐれも「フェイクニュースでパニックの日」なんて
 ならないように気をつけましょうね。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2019/10/30 号

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