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■大嘗祭の日付
 今年、2019年は5月に今上天皇陛下が即位なさり、元号が平成から令和に変
 わりました。

 通例では、新天皇即位後、最初に行われる新嘗祭は、大嘗祭と呼ばれる特別
 な祭祀となります。大嘗祭も毎年行われる新嘗祭も国と国民の安寧と五穀の
 豊穣に感謝、祈願する行事ですが、大嘗祭は皇位継承に伴い行われる、一代
 の天皇に一度だけのものですから、天皇の行う祭祀の中で最も重要なものと
 いうことが出来るのではないでしょうか。

※このような皇位継承に伴う「大嘗祭」は「践祚大嘗祭」と呼ぶこともありま
 す。古い時代には、皇位継承とは関係なく大嘗祭が行われたこともあるので
 それと区別する場合は、こんな呼び方もしますが、現在では特別に区別する
 までもないでしょうね。

 大嘗祭は皇室の財政難などの諸事情により、即位後何年も行えなかったこと
 も歴史上はありましたが、即位しても大嘗祭を行っていない間は「半天皇」
 などともいわれることがあるのだとか。大嘗祭が行えて初めて、名実ともに
 「天皇」となるということでしょうか。

 さて、その大嘗祭は昨日2019/11/14の夜から本日の未明にかけて行われまし
 た。それはもちろんめでたいことなのですが、現在、通常の新嘗祭が行われ
 る日付は、11/23(「勤労感謝の日」です)なのに、なぜ 11/14なのかなと
 ふと思いました。

◇2019/11/14は「十一月の中卯の日」
 ここでふと、気になったのが日の干支。
 確認してみると、昨日11/14日は「卯の日」でした。
 おっと、11月(新暦の)になってから2番目の卯の日。
 ということは?

  十一月の中卯の日!

 もしかして、それを意識してこの日になったのかな?
 現在、毎年行われる新嘗祭(私たちにとっては、祝日の「勤労感謝の日」)
 の日付が11/23となったのは、明治改暦によって日本の暦がグレゴリオ暦に
 変わって以後のことでした。では、それ以前はいつ行われていたのかという
 と、それが

  十一月の中卯の日

 なのでした。もちろん改暦以前ですから使われていた暦は、それまで使われ
 ていた太陰太陽暦(いわゆる「旧暦」)での日付ですが。
 明治改暦直後、新嘗祭の日付をどうするかと考えて、その年(明治6年)は
 とりあえず、新しい暦の11月の中卯の日に行うことにしました。その日付が
 11/23でした。そしてその翌年以後は明治6年に行った日付をそのまま固定し
 て、現在に至っています。

 そのため、明治7年以降は新嘗祭の行われる日付は「十一月の中卯の日」と
 いう伝統とは切り離されて11/23という固定した日付で行われてきました。

  あれ 大嘗祭の日付、11/23じゃないんだ?

 なぜ、いつもの新嘗祭の日に行わないのか、ふと疑問に思ったのですけれど
 もしかしたら、一世一度の大嘗祭は、古式に則って行うという意味もあるの
 かな? (新暦の11月ではありますが、そこは目を瞑って)。

 なんて想像を巡らせたかわうそ@暦でした。
 他の諸事情なのかもしれませんけどね。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2019/11/15 号

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