こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック  (PV , since 2008/7/8)
■「左遷」と「お詫び」の日
 不幸は、我が身に降りかかってくれば、まさしく「不幸」ですが、それが自
 分以外の人に降りかかっている場合はどうでしょう?

  「その場合は、『幸い』あるいは『楽しみ』」

 なんて言ってしまうと、人間性を疑われてしまうのでそんなことは言いませ
 んが、内心は・・・。本日はとある人に降りかかった不幸についての記念日
 を取り上げます。一年に一度、この日が巡ってくると、ついつい取り上げて
 しまうということを考えると

  人間性を疑われても仕方がない

 と観念しているかわうそです(「疑うまでもない」という声も聞こえてきそ
 うですね・・・)

 早速、この日に不幸に見舞われてた方々をご紹介します。

◇菅原道真(すがわらの みちざね)さんの場合
 1つ目は日本の史実から出た記念日。「左遷の日」です。

 不幸に見舞われた方は菅原道真さん。
 この日は、菅原道真は右大臣から大宰権帥へと左遷されたとされる日、901
 (延喜元)年1/25に因む記念日、「左遷の日」です。

 菅原道真は宇多天皇、醍醐天皇に仕えて「寛平の治(かんぴょうのち)」と
 呼ばれる治世の出現の一翼を担った名臣として知られています。
 ただ、家格の低い道真が右大臣まで出世したということで、これを妬むもの
 もあり、讒言されて左遷の憂き目をみることになりました。

 道真公が左遷された1/25という当時の暦の日付けを、現在の季節と関連づけ
 られるように現代の暦に当てはめてみると2/21頃になります。左遷された道
 真を追って、一夜で太宰府まで飛び、その地で根付いたと云う飛梅伝説の梅
 も、この時期だともう咲いていたでしょうから、その花を見て

  『こちふかば にほひおこせよ 梅の花
   あるじなしとて 春なわすれそ』

 を詠んだのでしょうか。

◇ハインリッヒ4世さんの場合
 2つ目はヨーロッパのこれも史実から出た話。「おわびの日」
 教皇グレゴリウス 7世によってカソリック教会から破門された神聖ローマ帝
 国皇帝ハインリッヒ 4世が許しを乞うた日を記念した日です。ハインリッヒ
  4世はこの日から 3日間、雪の中を裸足で破門の解除を願ったというあの、
 「カノッサの屈辱」の日です。

 神聖ローマ帝国皇帝ハインリッヒ4世は皇帝の影響力強化の為に、ミラノ大
 司教他の多くの司教に自分の息のかかった司祭たちを任命した。これに対し
 て、ローマ教皇は司祭の叙任権は教会にあるものであるとして、ハインリッ
 ヒ4世に司教任命を中止するように求めた。

 しかし、ハインリッヒ4世はこれに応じなかったことから、両者は対立し、
 ローマ教皇グレゴリウス7世はハインリッヒ4世を教会から破門するとともに
 皇帝権の剥奪を宣言するに至ります。これ以後、すったもんだが繰り広げら
 れます(詳しくは世界史の本をどうぞ)が、結局はハインリッヒ4世が屈し
 て「お詫びの日」が出来てしまいました。

 自業自得の結果ともいえないこともありませんが、かわいそうですからせめ
 てこの日の 3日後の許された日も「許しの日」にしてくれたらいいのに。今
 更そんなことをされてもハインリッヒ4世の慰めにはならないかな?

 以上、散々な記念日の並んだ、1/25の暦のこぼれ話でした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2020/01/25 号

こよみのぺーじ 日刊☆こよみのページ スクラップブック