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■夏至より長い冬至の日照時間
 もうじき冬至(2020年は12/21)、一年で一番昼の時間が短い時期です。
 この時期のことを「日短(ひみじか)」などともいいます。
 しかし、こんなに日(昼)が短いはずの冬至の頃なのですが、意外なことに
 日照時間は結構長いのです。

◇日照時間と可照時間
 「日(昼)が長い」ということは太陽が照っている時間の長さですよね。
 お日様が照っている時間を日照時間といいます。
 ただこれは、単純に昼(日が昇ってから沈むまで)の時間とは違います。
 日照は

  「日照」とは直射光の直達日射量が120W/m2以上ある状態

 と定義されています。ちょっと難しい感じですが、平たくいえば、ちゃんと
 日が照っていて直射日光が地上まで届いている時間といえそうです。つまり
 昼の時間であっても、曇りや雨では日照には数えられないということです。
 日照時間は実際に計ってみないとわからない時間なのです。

 こよみのページにも時々「今月の 6月の日照時間を教えて下さい」なんてい
 う質問が舞い込みますが、この質問にはこよみのページは答えられません。
 なぜなら「日照時間とは計ってみないとわからないものだから」です。(も
 ちろん私は計っていません)。

 ちなみに、Web こよみのページの「日出没計算」やこのメールマガジンに掲
 載されている「各地の日出没」には日の出から日没までの時間を計算してい
 ます。この日の出から日没までの時間のことを「昼時間」と呼んでいます。

 ※日出没計算 http://koyomi8.com/sub/sunrise.htm

 この「昼時間」でいえば、本日2020/12/19の東京の昼時間は9時間45分。つ
 いでに冬至である12/21の東京の昼時間も求めると9時間45分・・・おっと、
 「分単位」では差が出ませんでした。ま、どちらにせよさすがに冬至の時期
 です、昼の時間が短いですね。

 話がそれてしまいましたのでこの辺で話を元に戻します。
 日照時間は計らないとわからないものですが、もし雲が無かったとしたらど
 れだけの日照時間が得られるかという、可能性における日照時間の最大値を
 「可照時間」といいます。

 可照時間は、日の出から日没までの時間とはちょっとだけ定義が違うのです
 が、年月日と場所(経緯度)の情報さえあれば計算が可能な時間です。
 ウィキペディア(日本版 2020/12/19現在)によれば可照時間とは

 「雲や山などの影響を無視して、太陽からの日照が当たりうる時間のこと。
  厳密には、地表のある地点において、太陽の中心が地平線・水平線に達し
  て空に昇った時点から、再び太陽の中心が地平線・水平線に達して没した
  ときまでの時間を指す。」

 とあります。
 Web こよみのページの「日出没計算」でも、いくつか、計算オプションを変
 更すると求めることが出来ます。その方法で実際に可照時間を計算してみる
 と、本日の東京の可照時間は9時間42分。先に計算した昼時間より、ちょっ
 とだけ( 3分)短い値になっています。たった 3分ですが。

◇各月の平均の可照時間と日照時間
 折角、可照時間が計算出来ることがわかったので、計算してみます。それだ
 けだとつまらないので、日照時間との比較も行ってみます。
 
  暦月 日照時間 可照時間 日/可の割合(%)
  1月  6.1時間 10.0時間  61%
  2月  5.9時間 10.8時間  55%
  3月  5.3時間 11.9時間  44%
  4月  5.8時間 13.0時間  45%
  5月  5.6時間 14.0時間  40%
  6月  4.1時間 14.5時間  28%
  7月  4.6時間 14.3時間  33%
  8月  5.7時間 13.4時間  42%
  9月  3.9時間 12.4時間  32%
  10月  4.3時間 11.2時間  38%
  11月  4.9時間 10.3時間  48%
  12月  5.6時間  9.7時間  58%

 ※日照時間は、1981〜2010の月平均値から求めた(理科年表より)
  可照時間はWeb こよみのページの「日出没計算」を利用して2020年の計算
  をして日平均したもの。日照時間、可照時間の計算地点はいずれも東京。

 可照時間は、当たり前のことですが夏至のころには長くて冬至のころには短
 いという順当な変化を見せますが、日照時間は大分凸凹していますね。これ
 はすなわち、お天気の影響。曇ったり雨だったりして太陽が見えなければそ
 の時間は日照時間とならないからです。

 これを見ると面白いことがわかります。日照時間は、夏至の頃の6月よりも
 冬至の頃の12月の方が長いという逆転現象です。
 その理由は、日照時間と可照時間の比率が 6月と12月大きく違うからです。

  日照時間/可照時間(×100)  6月:28%   12月:58%

 12月は 6月の倍以上も「晴れ」ているんです。
 こうしてみると、東京近辺に限っていえば

  日照時間は夏至のころより冬至のころの方が長い


 ということになりますね。
 そう考えれば、冬至のころは日が短いなんて嘆くこともありませんね、と言
 いたいところですが、やはり冬至のころは太陽の南中高度も低く、どう見て
 も夏至のころの太陽に比べたらその光は弱々しいですからね。日照時間が長
 くたって、あまりその恩恵は感じません。わがままですかね?

 ああ、早く暖かくならないかな?
 太陽の復活と風邪を引かない体のために、今日は柚子でも買ってこようかな
 と思うかわうそでした。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2020/12/19 号

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