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■124年ぶりの2/2の節分
 書かなくちゃなと思いながらずるずると遅れるいつものパターンで、かなり
 直前になってようやく書き始めた2/2の節分の話です。

 春の節分の日付は、ここしばらく2/3ということが続いておりましたので、
 節分は2/3で固定だと思っていた方もいらっしゃったかもしれませんが、今
 年は2/2となったことで、巷ではちょっと話題になっているようです。

 ま、確かに。
 前回節分が2/2となったのは1897年、124年前の明治時代以来ですから、そう
 した点を見れば、確かに話題になりそうですね。

◇立春の日が2/3になったので
 タイトルは節分ですが、節分の日付が変わった理由はといわれれば、それは

  立春の日が2/3になったからです

 という答えになります。何せ節分の日は立春の前日ですから(今までも何度
 も書いておりますが、本当は立春・立夏・立秋・立冬の四立の前日はみな、
 「節分」です。立春前日の節分以外は近頃は顧みられなくなりましたが)、
 立春の日が変化すれば節分も変わるわけです。

 立春は1985〜2020年の間、ずっと2/4が続いていたので、現在40代前半くら
 いまでの方々は物心ついてからはずっと立春は2/4、節分は2/3という時代が
 続いていたことでしょう。これくらい長く続けば

  節分は2/3と決まっている

 と思い込んだとしても無理からぬことです。
 40代より上の方では「そういえば、2/3以外の節分の日があったかもな?」
 と覚えている記憶力のよい方もいらっしゃるかもしれません(私はおぼえて
 いません。気にしてなかったというのが本当のところか?)。

 立春の日が2/4になるというのは、ほぼいつの時代でも成り立つのですが、
 この日以外にも2/3や2/5が立春となる年もあります。
 立春は二十四節気の一つで、現在の太陽の中心が黄道座標の黄経315°を通
 過する瞬間を含む日が立春の節入り日となります。

 立春と同じ二十四節気の仲間、春分や秋分の日に結びついた祝日の日付がた
 まに変化することは「休みの日が変わる」という形で印象に残りやすいと思
 いますが、春分や秋分の日が変わるなら立春だって変わるのは不思議なこと
 ではありません。

◇立春の日の変化
 節分の話・・・ですが、また立春の話です。今回、記事を書くにあたって過
 去と未来の立春の日を計算してみたところでは

  1885〜1897の間には2/3が立春となる年があった
  1902〜1984の間には2/5が立春となる年があった

 ということが解りました。
 ついでながら、2/3が立春になるのは2021〜2099年の間。その後は、2014年
 から、また2/5の立春が現れるようになります。もちろんその間も2/4の立春
 もあります(2021から当分は2/3の節分は4年に1回。2057からは4年に2回出
 現するようになります。あとの日は2/4が立春)。

 なぜこうした変化が起こるかという理由ですが、立春の節入りの瞬間の間隔
 自体はほとんど変化無く356.242日ほどで一定です。
 立春の間隔が変化しないのに立春の日付がなぜ変わるのか? 日刊☆こよみ
 のページ皆さんなら、既にお解りですね。そうです、

  閏日の挿入による暦の1年の日数変化

 がこの原因です。
 既に説明の中に「4年に1回」とか、2/3の立春と2/5の立春のあった時期の時
 期の区切りが1900年や2100年といった100年の区切り付近にあることで気づ
 かれた方もいらっしゃるでしょう。これは、現在使われているグレゴリオ暦
 の閏年の決定に使われる年数に一致します。おさらいになりますがグレゴリ
 オ暦の閏年は

  1.西暦年が4で割り切れる年閏年
  2.1であっても100で割り切れる年は平年
  3.2であっても400で割り切れる年は閏年

 という順番で判定すれば閏年が決まります。閏年とは、太陽の天球を巡る周
 期で決まる自然の1年(これを回帰年といいます)に暦の1年の日数を近づけ
 るための工夫です。

 回帰年の長さは365.2422日と端数が付きますが、暦の1年の日数は整数です
 ので、完全に一致させることは出来ません。そのため何年かの日数の平均が
 回帰年に近い値となるように、閏年を設けて日数調整を行います。
 現在の閏年挿入の規則を適用すると暦の1年の平均日数がどうなるかという
 と

  ※回帰年 = 365.2422日
  規則1まで適用後 (365×4+1)/4 = 365.25日
  規則2まで適用後 (365×100+24)/100 = 365.24日
  規則3まで適用後 (365×400+97)/400 = 365.2425日

 ご覧のとおり、かなりいい線で近似できるようになります。
 とはいっても、これは長い間の日数の平均の結果であって、その途中ではこ
 の平均の周りで凸凹がでます。その凸凹の影響が出たのが、今回の立春、そ
 して節分の日付の変化の原因です。

 変わっているのは立春の方ではなくて、その立春の日付を表す「暦」のシス
 テムの問題です。
 たとえとして私が使うのは、アナログ時計。

 太陽の動きという針の動きには変化がないのですが、その針の位置を読み取
 るために用いる時計の文字盤の固定の仕方がよくなくて、文字盤が動いてし
 まう。そのために針が一定の速度で動いても文字盤が動いちゃうので、読み
 取った時刻が変化しているように見えるようなもの、そう思っています。

  節分はなぜ変化した? 立春の変化は?

 と言う問題かと思ったら、実はこの問題は現在の暦の「閏の問題」だったん
 です。なんかつまらない結末でしたね。

※ついでに
 今回の記事を書くにあたって、資料として立春の日の変化を計算しました。
 折角計算したし、グラフ化もしたし・・・ということで、昨夜こうした資料
 を使ってWebこよみのページに一つ記事を書きました。

 ・立春の日付が変わるのはなぜ? (暦と天文の雑学)
  http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0175.htm

 です。本日の記事と重複(テーマが同じだから大部分がね)する記事ですが
 グラフがありますのでより解りやすいかと。
 お暇があれば、こちらの記事もお読みください。

  (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
   magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)

オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2021/01/29 号

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