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節分と豆まき
    「鬼は外、福は内!」
 もうすぐそんな声があちこちの家から聞こえる季節となりました(これを書いているのは2001.02.01)。
節分とは
 元来、節分とは「季節を分ける」ことから「節分」です。現在では節分といえば立春の前日だけを指すようになりましたが、季節の始まりを示す立春、立夏、立秋、立冬の前日はいずれも節分なのです。
 現在のように立春の前の節分が特にありがたがられる理由ですが、旧暦の時代では「立春正月」などといい、一年の始まりを立春付近に求めたことから、その前日は年の最後の日という意味合いを持ったと考えられます。このように年を分ける「節分」ということで他の3つの節分より重要な位置を占めたのではないでしょうか(旧暦でも本当は「立春」が必ず正月にあるわけではありませんので、この点はご注意ください)。
節分と豆まき
梅幸の豆まき
梅幸の豆まき図
 節分の日には、炒った豆を年神に供えたあと、その豆を年男(その年の干支の生まれ)が「鬼は外、鬼は外、福は内」呼ばわりながら蒔きます。このとき蒔かれた豆を自分の年の数だけあるいは、年の数+1だけ拾って食べ、一年の無病息災を願う風習があります。
 この「鬼は外」については、中国から渡来し宮中で行われていた「追儺(ついな)」の行事と節分に行われた方違え行事の中の「豆打ち」の儀式が融合したものだといわれます。追儺は「弓矢などで悪鬼、厄神などを追い払う行事」で、年の暮れに行われていました。豆打ちは豆まきともいわれ、その言葉通り豆やカチグリを蒔いたものです。

なぜ豆を蒔く?
 穀物や、果実には「邪気を払う霊力」があると考えられており、豆を蒔くことで豆の霊力により邪気を払い、福を呼び込むと考えたのでしょう。
 豆とは違いますが、イザナギが黄泉の国の亡者を追い払うのに桃を投げつけるなどの神話も、穀物や果実の霊力によって邪気を払うという点で同根の話でしょう。
後日追記 (2006.2.5)
方違えと豆まき 
平安時代には、節分の日に翌年の恵方にある家に宿を取るという風習が有りましたが、室町時代頃にはこれが簡略化され、家の中の恵方にある部屋に移るというようになりました。
この際、あらかじめ新しく移る部屋の厄払いの意味でその部屋に豆を撒いたと言います。これが現在の豆まきの始まりです。
イワシの頭
 「鰯(いわし)の頭も信心」などといわれる鰯の頭を焼いて、ヒイラギの枝に刺し、家の入り口に差す風習があります。これも節分の日。これは鰯の頭の悪臭で、邪気が家に入るのを防ぐという意味があります。「邪気」も悪臭は苦手と見えます。
珍しい風習
 「九鬼」などのように鬼が名字に入る家では、「鬼は内、福は内」ということがあるそうです。実際にはどうなのでしょうか?。また、このとき全国から閉め出された鬼を迎えてくれる町もあると聴きましたが、その場所は失念してしまいました。わかりましたらこの文章も書き直します(ご存じの方、教えてください)。
後日追記 
群馬県鬼石町は「全国から閉め出された鬼を迎えてくれる町」だそうです。教えてくださった夏芽さん、ありがとうございました。

奈良県吉野、蔵王堂の節分会は「福は内、鬼も内」と唱え、全国から追い払われた鬼を救い、仏門に帰依させる行事だそうです。吉野山はその昔役の小角(役の行者)によって開かれた山岳修験の聖地。役の行者に従って山に入った前鬼・後鬼が山に残って今もその子孫と称する人々が住むとか。このことも関係あるのでしょうか。
吉野の節分会に関しては、吉野金峰山のHP(http://www.naranet.co.jp/kinpusenji/)に紹介記事があります。御覧ください。
なお、この情報は夏芽さん、ヤンさんのお二人に教えていただきました。ありがとうございます。

 こういった行事も都市部では大分廃れてしまっているようですが、残したい行事ですよね。さて、今年あなたは「鬼を追う人」、それとも「追われる鬼」どちらの役割を演じるのでしょうか?。

かわうそ@暦 2001.02.01

余 談
論語の中の「追儺」
 論語、郷党篇には
「郷人の儺には、朝服してそ階に立つ」
という一文があります。「儺(おにやらい)」は鬼を追い払うという意味。孔子の生きた2600年前の中国にすでに節分の豆まきのルーツが有ったわけです。
 
恵方を向いて、太巻きを食べる?
 関西では、節分の日に「恵方を向いて太巻きを食べる(くわえる?)」とか。
どんないわれがあるのか、と思えば実は海苔屋さんの宣伝。昭和30年代に海苔の需要拡大にと考えつかれたとか。ま、チョコレートとバレンタインデーみたいなもの。
太巻きの中のキュウリを「青鬼」。ニンジンや生姜を「赤鬼」に見立てて、「節分に鬼をやっつけてしまう」ということとか。因みに恵方は、その年の歳徳神(吉神)が鎮座する方向。どっちにあるかは「恵方ってどっち」(http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0430.htm)の記事を参照のこと。
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